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作成日:2009年11月5日_記事番号:T00019011
新竹漁港の巨大魚オブジェ、風水悪いと180度転換

新竹市が1,800万台湾元を投じ、2007年に落成した新竹漁港の貝殻公園入口には、巨大な魚のオブジェが設置されている。06年に行われた観光イベント「アジ祭り」で制作されたもので、長さ約10メートル、幅約1メートルもあり、観光スポットとして生まれ変わった新竹漁港のシンボルとなっている。
ところが最近、台湾海峡の漁獲高がめっきり減り、収入が激減した漁民たちは、原因はこの魚のオブジェにあるのではないかと思い至った。「あの魚が港の風水を乱したために、魚が獲れなくなったに違いない」というわけだ。
なぜなら、このオブジェは頭を海の方向に、尾は陸の方に向けて設置されている。まるで魚が海へ帰って行くようで、同漁港に魚が揚がらないのはそのためだというのだ。
漁民がこぞって新竹市政府に陳情したところ、同市は彼らの気持ちを尊重し、港南風景区や自転車道周辺の施設の整備工事を行う際に、貝殻公園の魚も「方向転換」させることに決定した。
10月末、大型クレーンで吊るされた魚は、頭を陸の方に向けて設置し直され、ついでに取れた目玉も修復した上に、2匹の子魚と孫魚まで増えた。これで漁獲高がアップすれば、20万元の経費も安いものだろう。
ちなみに、風水師によると、新竹漁港の8割以上が漁民だった昔は、確かに「魚の頭が内側(陸)を向いていると、漁獲高が増える」といわれたが、漁業から観光産業へと転換した現在では、頭が海の方を向いているのは「観光客を呼び込み、魚を海外に輸出する」とも解釈できるので、一概に縁起が悪いとは言えないとか。今度は観光客が激減しなければいいが...。