呉敦義行政院長が就任前の昨年12月、犯罪歴が多数ある仮釈放中の暴力団幹部とインドネシアのバリ島を旅行していたことが週刊誌「壱週刊」最新号の報道で明らかになった。
問題のバリ島旅行について説明する呉行政院長。県市長選に向けて残り1カ月となったが、牛肉開放問題に続いて野党側に新たな攻撃材料を与えた形だ(5日=中央社)
同誌によれば、呉行政院長夫妻は中部の暴力団幹部、江欽良氏とバリ島を旅行、李朝卿南投県長夫妻も同行していた。江氏は殺人、脅迫、強盗、窃盗、銃器使用などの前科があり、7年前に仮釈放された。
呉行政院長は事実関係を認めた上で、「江氏は若いころに悪事を働いたが、過ちを悔い改め、この10数年は地方のために尽くしてきた。更生した人物を排斥すべきでない」と江氏を擁護する発言を行い、物議を醸している。
呉行政院長は旅行目的について「観光地を視察した」などと強調したが、民進党の南投県長選候補、李文忠氏が「南投県の砂利業の利権が絡んでいる」と非難するなど、野党に格好の攻撃材料を与えた形だ。呉行政院長は当時、立法委員と国民党秘書長を兼任しており、南投県長選に向けた選挙工作が目的だった可能性も指摘されている。
これに対し、蘇俊賓・行政院新聞局長は「想像で疑うべきでない」と疑惑を否定。江氏も「バリ島には観光視察に出掛けただけだ。砂利業に従事しておらず、南投県の砂利業を掌握しているわけがない」と反論した。