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作成日:2009年11月10日_記事番号:T00019102
遅刻や居眠り散見、台大医学生の現状を痛烈批判

台湾大学といえば台湾でトップとされる最高学府。中でも医学部は最難関を突破した頭脳明晰なエリートぞろい…のはずなのだが、このほど最新号の「天下雑誌」で、台大医学生の不真面目な授業態度が明らかにされ大きな反響を呼んでいる。
これは、2009年医学院評鑑委員会(TMAC)の評価のため、10月19~22日に台大医学部を訪問した洪蘭・中央大学認知神系科学研究所長が自身の目で見た医学生の実態を「天下雑誌」に寄稿したもので、タイトルは「学びたくないなら他の人に譲りなさい」と痛烈だ。
それによると、講義中の居眠りはもとより、コンピューターでドラマを見たり、携帯電話を使う学生がいたほか、カップ麺(めん)を食べたり、おつまみの「鶏の腿」をかじりながら講義を受ける光景も見られたという。また、遅刻した学生はこっそり後ろの席に着くどころか、教室中央部に位置する自分の席に座るため、外側に座る学生をわざわざ立たせて中へ進んでいったとか。それでも教師が特に注意しないのは、学生が教師の一部評価の点数を付ける制度のためらしい。
自身も台大出身者である洪所長は、この実態を嘆きつつもあえて暴露。政府は5年間で500億台湾元を投じ、台大を世界の大学トップ100入りさせようと目指しているが、実際には学生の品行や人徳が全くなっておらず、全くの無駄遣いになると指摘。その上で、「学びたくないのなら、他の学びたい人にチャンスを譲るべきで、尸位素餐(しいそざん、才徳も功もないのに位に就いていること)は最も恥ずべき」と批判した。
台大の楊泮池医学部学部長は批判に対し、TMACが評価のために訪れた午後1時半からの授業は、前の授業が終わるのが遅かったため昼食を取る時間がなくて遅刻したり、教室に食べ物を持ち込んだ学生がいたと説明した。大部分の学生は真面目だと弁解しつつ、「批判は謙虚に受け止めたい」とコメント。台大生全員にこの文章を読ませると話している。