ニュース
農林水産
作成日:2009年11月10日_記事番号:T00019108
中国産密輸アワビ、高濃度の禁止抗生物質検出
10日付蘋果日報は、独自取材の結果、市中で購入した中国産とみられるアワビから発がん性がある禁止抗生物質のニトロフランが基準値を66倍も上回る高濃度で検出されたと報じた。市中では中国産密輸アワビが「宜蘭産」など称して販売され、大衆レストランなどに流通している疑いが濃いという。
同紙は読者の告発を受け、台北市内の海産物店2カ所で「宜蘭産」「南アフリカ産」として売られていたアワビを購入し、民間検査会社2カ所に分析を依頼した。その結果、うち1カ所で購入したアワビから最大で67.4ppbのニトロフランが検出された。
医療関係者によると、ニトロフランを妊婦が摂取すると、奇形児が生まれる可能性があるという。
同紙取材に対し、行政院農業委員会動植物防疫検疫局は、「輸入アワビは検査項目に含まれていないため、検査は実施していない」としており、中華民国消費者文教基金会では「毒アワビの流入は政府の取り締まりが緩いためだ」と批判している。
台北県のアワビ生産団体関係者は「現在台湾では台北県貢寮郷で少量が養殖されているだけで、出荷は12月以降だ。市中に台湾産アワビは存在しないはずだ」と強調した。市場関係者も「宜蘭産と称するアワビは中国産に違いない」と話している。