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愛台12建設、民間投資3割見込む


ニュース 建設 作成日:2009年11月10日_記事番号:T00019131

愛台12建設、民間投資3割見込む

 
 行政院経済建設委員会(経建会)は9日、馬英九政権の公約である公共建設プロジェクト「愛台12建設」の総体計画案を決定。2016年までの8年間に見込まれる3兆9,900億台湾元(約11兆円)の経費のうち、当初4,000億元(約11%)としていた民間からの投資を約30%に当たる1兆2,000億元まで大幅に引き上げた。政府と民間、各県市間など従来の枠を超えて柔軟に開発を進めることで民間の投資意欲を高め、政府部門の財政負担を軽減したい考えだ。10日付自由時報などが報じた。

 「愛台12建設」では計284項目の事業が計画されており、そのうち72%は既に着工されている。その他約20%も設計計画が進められており、依然承認を受けていない事業は6%を残すのみとなっている。

 初年度に当たる今年の予算は計4,476億元で、そのうち政府予算が3,826億元を占め、民間投資は14.5%に当たる650億元にとどまっている。こうした現状を受けて朱立倫・行政院副院長が10月上旬、「BOT(建設、運営、譲渡)でできるものはBOTを採用する」という方針を示し、各官庁にプロジェクト内容の見直しや民間資本の誘致に向けた付加価値増大策の検討を指示していた。

民間投資の5割をBOTで
 
 「愛台12建設」で推進されるプロジェクトは、交通網整備、下水道整備、都市・工業区整備、海岸整備など約9割を公共インフラ建設が占める。大きな商機は見込めないため、民間投資を呼び込むには魅力に乏しいと指摘されていた。

 しかし黄万翔・経建会副主任委員は8日、「各省庁、各県市、民間企業が枠組みを越えて協力すれば大きな効果が期待でき、民間の利益獲得余地も広がる」と語った。台湾高速鉄路(高鉄)駅周辺の開発を例に挙げ、▽建設会社やホテル業者などと提携し、住宅購入と「高鉄の永久乗り放題チケット」をセット販売する▽公有地と高鉄および民間が所有する土地を統合開発し、高い容積率や都市計画の有利な変更を認める──などを具体案を示した。

 9日の委員会でも、中央政府予算で整備される交通インフラと地方政府による周辺の土地開発を、統合した形で計画を進めることなどが提案され、その結果「愛台12建設」で見込まれる民間投資のうち約半分に当たる7,000億元を、BOTまたはOT(運営・譲渡)案の実施により獲得する方針となった。

GDPを毎年約3%拡大
 
 経建会は「愛台12建設」推進により、推進しなかった場合に比べ実質GDP(域内総生産)を毎年平均2.97%拡大、就業機会を同24万7,000件増やすことが可能と試算している。

 同プロジェクトでは、安全保障に影響が及ばない前提で中国資本を含めた海外からの投資も積極的に呼び込みたい考えで、米国、豪州、日本、韓国、シンガポールなどからも強い関心が寄せられているという。

 同計画案は行政院会議(閣議)で承認を受けた後、実行に移される。
 
【表】
 
T000191311