華碩電脳(ASUS)の施崇棠董事長はこのほど工商時報のインタビューに応じ、シェア拡大、創造力、商品力の増強に向けた新プロジェクト「巨獅2戦略計画」を始動させたことを明らかにした。16日付同紙が伝えた。
施董事長は「巨獅2計画の始動で、今年第3四半期の最終利益は証券会社の予測を上回り、市場からも評価を受けている。手元には多くの秘密兵器があり、その創造性においては絶対に失望させない」と自信をのぞかせた。
巨獅2計画は、同社がこれまで実施してきた巨獅、銀豹、常山蛇計画に続く経営戦略計画で、第一の目的はシェア拡大だ。同社は米ゼネラル・エレクトリック(GE)が導入したPIMS(市場戦略による利益効果)というモデルを参考に戦略転換を図った。
ASUSのノートパソコンはこれまで、「大P(price)小Q(quantity)」すなわち、高単価で出荷量の不足を補う戦略を取ってきた。これを今後は「大Q戦略」に改め、単一製品でも市場で打ち勝つ能力を備えられるようにしていく構えだ。製品がシェアを獲得できなければ、価格を高めに設定しても意味がないとの考えに基づく。巨獅2計画では、さまざまな面からASUSのブランド価値を高めることに注力する。
来年の商品戦略について施董事長は、「多くの秘密兵器がある。スマートブック(高性能モバイル端末)、電子ブックをなどが含まれるが、詳細は明らかにできない」とした上で、米ラスベガスで開かれる家電総合展示会「インターナショナルCES」(来年1月7~10日)で発表を行う考えを示した。
ノートPC分野では、ローエンドからハイエンドまで全方位的なラインナップを整える。ハイエンド分野ではオーディオブランドのB&Oと提携した高級ノートPCを来年にも投入する。