ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

金門県長選挙戦、海を越える特殊事情


ニュース 社会 作成日:2009年11月19日_記事番号:T00019313

金門県長選挙戦、海を越える特殊事情

 
 来る12月5日の県市長選挙は、台北市などを除く計17県市で投票が行われる。このうち、7候補が争う金門県長選の選挙戦事情はやや特殊だ。

 人口流出が激しい同県では、県外在住者が非常に多く、彼らの票が当落を左右する重要な鍵となっている。そのため、県内のみならず、県外での選挙活動にも力を入れざるを得ないのだ。

 金門県以外で金門県民が最も多いのは、台北県中和・永和市で、県民40万人のうち、15万人が在住しているという。

 地方自治体再編で直轄市に昇格する台北県では、今年は選挙が行われない。しかし、中和・永和市では街中に候補者の看板や広告があふれ、選挙ムードが高まっている。これも金門県民がここに集中するがゆえなのだ。

 金門県長選の戦火は、台湾本島のみならず、対岸の中国大陸にまで及んでいる。中国福建省泉州、アモイ、漳州一帯には、便宜上金門県に籍を置く台商(台湾人ビジネスマン)が1万人近くいるからだ。

 こうした事情により、今回の金門県長選の有力候補の一人、李沃士候補(国民党)は、8月から4度もアモイ、泉州、漳州の台商協会を訪問。さらに台北にも選挙事務所を構え、応援大会を開催するなど中台間を奔走している。

 もう1人の有力候補である陳水在候補(元金門県長、無所属)は、10月にアモイの台商協会を訪問。台商の声に耳を傾けると同時に支持取り付けを狙った。

 また、元国民党立法委員の呉成典候補(無所属)も、10月に中和市で1,000人以上の県民を動員する集会を行うなど、金門県外での選挙活動が活発化しており、体力勝負の様相を呈している。