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台塑と中石化、アクリロニトリル供給不足で商機


ニュース 石油・化学 作成日:2009年11月19日_記事番号:T00019329

台塑と中石化、アクリロニトリル供給不足で商機

 
 アクリル繊維や合成樹脂の原料となるアクリロニトリル(AN)は、旭化成ケミカルズと英イネオスの生産設備故障で、短期的な供給不足に陥り価格が急上昇している。これにより台湾塑膠工業(フォルモサ・プラスチックス)と中国石油化学開発(CPDC)の2社は12月、業績が大きく向上する見通しだ。19日付経済日報が伝えた。

 台塑は供給不足に対応するため、間もなく予定していた生産能力28万トンの工場での年次保守を大幅に延期する。同社の利益は1トン当たり400米ドル以上と、業界平均の350米ドルを上回っているとみられ、12月はアクリロニトリルだけで3億台湾元(約8億3,000万円)余りの利益上乗せが予想される。中石化も12月の粗利益が1,828万元増加する見込みだ。

 経済日報によると、旭化成ケミカルズ水島製造所は年産20万トン、10万トンの工場2基で、イネオスでは年産28万トンの工場で部品故障により操業停止となっている。イネオスは年産32万トンの工場でも年次保守により稼動率を7割に下げており、供給不足に拍車がかかっている。これらを受け、アジアのスポット価格は1トン当たり1,647.5米ドルへと1日で6.6%も上昇した。