プリマス・フィナンシャル・ホールディングスと共同で南山人寿保険の買収を決めた香港・中策集団(チャイナ・ストラテジック)が、買収後に南山人寿の株式30%を中国信託金融控股に売却することで合意した問題で、陳冲・行政院金融監督管理委員会(金管会)主任委員は19日、南山人寿の親会社である米AIGに対し、一連の過程が入札規定への違反に当たらないか確認を行う意向を明らかにした。香港証券先物事務監察委員会に対しても法令違反の有無を確認していく。20日付経済日報が報じた。
中策は何清輝執行長(左)らが19日香港で記者会見を開き、「中信金との提携が南山にとって最良の選択と考える」と訴えた(19日=中央社)
陳主委は、南山人寿の売却入札の際、AIGに対し「契約者と南山人寿従業員の権益、および出資構成の安定性を最も重視する」と強調していたと発言。買収に対する経済部投資審議委員会(投審会)の正式認可が下りていない段階で、中策が中信金に南山人寿の株式売却を決め、しかも3年以内に中信金が過半株式を取得して経営権を握る方針であることは、「長期にわたって経営に当たる」としていた当初の約束とは異なっており、この点が入札規定の違反とならないかAIGに確認を行う。
これに関連して金管会の盧廷劼主任秘書も、プリマスと中策に対し「専門の経営陣が南山人寿の経営に当たるとの説明だったが、どこに存在するのか」「将来どこが南山を経営するのか」「長期的経営の約束をどのように実現するのか」など3点について問い合わせを行う意向を示した。