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鄭姓と施姓カップル、改姓で通婚タブーをクリア


ニュース 社会 作成日:2009年11月25日_記事番号:T00019432

鄭姓と施姓カップル、改姓で通婚タブーをクリア

 
 中華圏では、いまだ「結婚にまつわるタブー」が根強く存在する。その大半は姓氏に関するもので、歴史的な恨みが絡んでいることが多い。

 台東県在住の女性、施さん(26)は、4年間交際した恋人の鄭さん(30)といよいよゴールインすることになった。ところが、いざ結婚という段階になって「鄭姓と施姓は結婚してはならない」というタブーがあることを知った。

 これは、清代に台湾を拠点に明の復興を目指した鄭成功が臣下で清に寝返った武将、施琅の一族を皆殺しにした一方、施琅は清軍を手引きして台湾を攻め、鄭成功の子孫を降伏させたという歴史故事にちなんでいる。鄭姓と施姓はそれ以来、今日まで代々300年以上にわたり敵同士の間柄なのだ。

 困り果てた施さんに、ある妙案が浮かんだ。「父方の施という姓を母方の姓に改姓すれば、このタブーはクリアできる!」。家族の同意を得た彼女は、亡き父の霊前に線香を上げ、占いで尋ねたところ、天国のお父さんも娘の幸せを願ったのか6回連続で「許可」を示す結果が。

 そこで施さんは、さっそく裁判所に改姓を申請。一般人の改姓は難しいが、法廷に戸籍資料や結婚用に撮影したブライダルアルバムを持ち込んで説明したところ、裁判官も2人の熱意に動かされ、ようやく改姓が認められた。

 通婚タブーは、「岳、秦」「梁、祝、馬」「鐘、䔥、葉」「張、廖」「張、簡」「葉、李」といった姓氏間にもある。中でも有名な岳姓と秦姓との非通婚は、南宋の宰相・秦桧が、無実の罪を着せて忠将・岳飛を謀殺したことに端を発しており、既に1,000年近くもの間、守られている。

 高雄市在住の岳飛第31代子孫・岳徳傑さん(75)によると、小さいころから「秦姓との通婚は絶対に不可」とする家訓をたたき込まれて育ったとか。

 自分の娘が外国人に嫁ぐのにも反対しなかった岳さん、「相手が秦姓でさえなければいい」とのこと。秦姓とは友達になるのもちゅうちょするとか。「この年になるまで秦姓の友人はたった一人だけ」というから、代々続く中華民族の恨みは恐ろしい。