ノートパソコン受託生産大手、仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)と広達電脳(クアンタ・コンピュータ)は24日、第4四半期の出荷予測を前期比2割成長に上方修正した。先月22日に発売されたマイクロソフト(MS)の基本ソフト(OS)、ウインドウズセブン(Windows7)効果が予想以上に表れているためで、例年オフシーズンに当たる来年第1四半期も見通しは明るいとしている。25日付経済日報などが報じた。
コンパルは第4四半期の出荷見通しを当初、前期比1割成長としていたが、今回2割成長の1,250万台以上に引き上げた。これにより、2009年の通年出荷台数は3,700万台に達する可能性があると、当初予測の3,650万台からの拡大が市場で予想されている。
陳瑞聡コンパル総経理は市場の現状について、「需要が予想以上に強い」と語っており、11月のノートPC出荷台数は10月を上回るという見方だ。また、販売サイドの在庫水準は非常に低い状態にあるとした。
梁次震クアンタ副董事長も、11月ノートPC出荷は10月の390万台を上回り、第4四半期が今年のピークになると楽観的な見方を示した。 マイクロソフトのスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)は先日、ウインドウズセブン発売後1カ月間の販売量は、前OS、ウインドウズビスタ(Windows Vista)の2倍に上ると語っている。コンパルとクアンタの第4四半期の好業績見通しは、ウインドウズセブンによるノートPCの需要喚起を裏付けていると言えそうだ。
10年は2~4割成長
陳コンパル総経理は、10年第1四半期のノートPC出荷見通しについては、前期比5~10%減とした。来年通年の目標は2割成長、4,500万台としている。なお、来年上半期にはオールインワン(モニター一体型、AIO)PCや電子ブックリーダーの出荷開始も予定している。
梁クアンタ副董事長は、来年第1四半期のノートPC市場について「オフシーズンだが期待できる」と語り、同社出荷予測を従来の前期比10%減から、5%減に上方修正した。これは例年の15%減と比べ、かなり良い数値だ。また、来年は四半期ごとに伸びが見込め、通年で4割成長、5,000万台出荷を狙う。
【図】