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作成日:2009年11月27日_記事番号:T00019487
げてもの世界一は「猪血糕」?台湾人が名誉回復ビデオ作製

「猪血糕」といえば、ブタの血ともち米を混ぜて蒸した台湾の小吃(台湾式軽食)。血と聞いてびっくりするが、もちろん血のにおいや味はなく、おもちのような食感の非常にポピュラーな食べ物だ。夜市(ナイトマーケット)や屋台では、アイスキャンデーのように竹ぐしに刺し、ピーナッツの粉や香草を振り掛けたものがよく売られているほか、鍋料理の具材としても利用される。
この猪血糕、実は今年9月に英国の旅行サイト「Virtual Tourist」が選んだ「げてものトップ10」で、なんと世界首位に選ばれた。ちなみに、2位は生タコ(韓国)、3位はバッタ(ウガンダ)だとか。
猪血糕は、台湾人にとっては子どものころから慣れ親しんだ安くておいしいB級グルメ。それが「世界一のげてもの」呼ばわりされるとは、我慢ならない!と、憤ったのが奇幻文化芸術基金会執行長の朱学恒さん(34)だ。映画「ロード・オブ・ザ・リング」や「スター・ウォーズ」などの翻訳者としても知られる朱さんは、さっそくネットユーザーに呼び掛け、約1分間の「猪血糕の名誉回復ビデオ」を撮影した。
ビデオは朱さんが夜市で猪血糕を食べる人たちに「味はどう?」とインタビューをしてまわる内容で、英語と中国語の字幕付き。17日に動画共有サイ「Youtube」にアップロードしたところ、6日間で延べ7,000アクセスを超えるほど人気が出た。
朱さんは、ランキングに参加した英国人は猪血糕を食べたことがなく、ただ漢字の字面だけを見て「Pig’s blood cake(ブタの血のケーキ)」と英訳したために、生臭い「血のケーキ」と誤解されてしまったのだろうと推測。ビデオの中で「Brown rice pudding(コーヒー色
のお米プリン)」と訂正すべきだとの自論を披露している。
猪血糕のためにこんなに熱くなれる朱さんは、きっと猪血糕が大好物に違いない。そういえば彼の姓「朱(ジュー)」は「猪(ジュー)」と発音が同じ。それも一因だったりして。