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2010年の経済成長率、4.39%に=主計処


ニュース その他分野 作成日:2009年11月27日_記事番号:T00019514

2010年の経済成長率、4.39%に=主計処

 
 行政院主計処は26日、最新の経済予測を発表し、2010年の台湾の経済成長率を前回予測(8月)の3.92%から4.39%に引き上げ「中度の成長」を遂げるという見通しを示した。要因として主計処は、来年欧米市場で景気回復が進み、輸出額(商品)が過去6年で最高の15.36%成長を達成するとの見込みを挙げた。しかし27日付工商時報は、来年の成長は今年上半期の8.0%の大幅マイナス成長を基礎としたものであり、数字は割り引いて見る必要があると指摘している。
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今年はマイナス2.53%

 主計処の発表によると、今年第3四半期の成長率は、これまで4期連続のマイナス成長となっていた民間消費が2.21%のプラス成長に転じたことや、輸出額の前年比減少幅が縮小したことなどから、予測値のマイナス3.52%を上回り、マイナス1.29%に収まった。第4四半期は6.89%と08年第2四半期以来のプラス成長を回復すると予測、来年第1四半期は8.96%まで伸びるとしている。また今年通年の予測値もマイナス4.04%からマイナス2.53%へと大きく上方修正した。ただ依然、通年でのマイナス幅は過去最悪を免れ得ない見通しだ。

 今回の予測で主計処は、▽来年第1四半期の成長率が9%に迫る▽来年輸出は2けた成長▽物価が安定的でやや上昇▽名目GDPが初めて13兆台湾元(約34兆9,000億円)を超える▽財政拡張政策が成長率を1ポイント押し上げる──と指摘し、今後の見通しを楽観できる6点のポイントとした。また、石素梅主計長は、「予測には両岸(中台)間の両岸経済協力枠組み協議(ECFA)や金融覚書(MOU)締結による効果を含んでいない」と強調し、さらなる伸びしろがあるという見方を示した。

四半期成長率は横ばい

 こうした予測に対し工商時報は、主計処の実質GDP(域内総生産)予測を年成長率ではなく四半期生産額で見ると、今年第4四半期は3兆3,400億元、来年第1四半期は3兆3,100億元へと減少、その後ほぼ横ばいが続く見通しのため、「中度の成長」予測に疑問を呈した。

 ただ、主計処が来年のGDP成長力を弱いとみていることについて同紙は、「世界的な景気動向を正確に反映したもの」と指摘し、「世界経済は既に谷底を脱したものの、受けた傷は深く、一気に回復とはいかない」との見方を示した。
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 また宝華綜合経済研究院の梁国源院長は、主計処の来年の経済成長の大前提は「外需の回復」だが、輸出の15.36%成長予測はマイナス20.33%という今年の深刻な低迷を基にしたもので、来年の輸出額予測値自体は2,349億米ドルと、07年の2,467億米ドル、08年の2,556億米ドルを下回ると予測していると指摘した。一方で「現状から見て台湾の経済予測は間違っていない」と語った。

【図】