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電子ブック産業、生産額1千億元へ支援計画


ニュース 家電 作成日:2009年11月30日_記事番号:T00019546

電子ブック産業、生産額1千億元へ支援計画

 
 電子ブック産業の振興に向けた政府の支援計画がまとまった。5年で21億3,400万台湾元(約57億円)を投じるほか、中国語コンテンツ配信センターを立ち上げる最大2~3社を対象に、国家発展基金(国発基金)による資金面での支援を行う。2013年時点でデジタル出版産業全体への投資額100億元、生産額1,000億元以上の達成が目標だ。詳細は来月3日に発表される。30日付工商時報などが報じた。
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 行政院は12月5日、経済部からデジタル出版産業の推進効果に関する報告を受け、電子ブック産業振興計画を正式に始動する。経済部のほか、行政院文化建設委員会(文建会)、経済建設委員会(経建会)、新聞局、教育部などが協力し、生産額を電子ブックリーダーなどハード面で900億元、ソフト面を合わせて全体で1,000億元まで引き上げる構えだ。

 同計画によると、電子ブックリーダーは世界シェア80%を狙う。また、中国語のデジタル出版物を来年1万冊、5年後に10万冊へと拡大させる。デジタル出版物の購読者数は100万人が目標。学校全体の10%に当たる100校で電子ブックを導入し、紙媒体の書籍と併用させるほか、遠隔地域での利用者5万人も見込む。

普及は3~5年後=工業局予測

 経済部工業局は、中国語の電子ブックの普及時期について、元太科技工業(PVI)、友達光電(AUO)など2~3社が研究開発(R&D)を始めているカラー電子ペーパーが商品化して以降となり、本格化するまでに3~5年かかるとの見通しを示した。また、来年第1四半期までに電子ブックのハード分野に参入するメーカーは5~6社、多くても10社以下と想定している。

 現在、電子ブック市場に参入している台湾企業には、電子ブックリーダーを既に開発した華碩電脳(ASUS)やAUO、その表示画面に用いられる電子ペーパーのPVIなどが挙げられる。PVIはアマゾン向け出荷を開始している。AUOも電子ペーパー事業で米メーカーと出資に関する協議を行っている。コンテンツでは、遠流出版事業や城邦文化事業、大塊文化出版が出版物の電子化を積極的に進めている。コンテンツ配信センターとしては、遠伝電信(ファーイーストーン・テレコミュニケーションズ)が先日、WiMAX(ワイマックス)技術を利用したモバイル機器向けデジタル出版物配信サービス提供に関して初めて、経済部に補助金を申請した。

 このほか、台湾と中国はデジタル出版物の標準フォーマットとして「ePub(イーパブ)」を選択することで既に合意に達した。経済部は来年6月にも中台の産業連携に向けた「両岸デジタルコンテンツ搭橋(懸け橋)会議」を予定している。今後、電子ブックリーダーの北大方正(ファウンダー)や漢王科技、コンテンツ配信の中文在線(チャイニーズオール)など、中国メーカーとの提携も進む可能性がある。

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