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作成日:2009年12月3日_記事番号:T00019613
齋藤所長の辞意、聯合報が圧力認める
齋藤正樹・交流協会台北事務所長の辞表提出について、馬英九政権は沈呂巡外交部政務次長が2日立法院で「個人の決定」と答弁し政権からの圧力の存在を否定したが、国民党寄りの聯合報は3日、「陳水扁前総統支持の北門ロータリークラブに加入したり、『台湾の地位未定論』の発表前に李登輝元総統と密会するなど親独立派傾向が馬政権の不信感を買い、『地位未定論』が決定打となって辞めざるを得ない立場に追い込まれた」と圧力があったことを認める報道を行った。
北門ロータリークラブは親民進党の政治色が強いことで知られるが、齋藤所長の秘書は台湾の政治状況に疎く、近所にあるという理由で加入を決めたという。齋藤所長は元来ロータリークラブの会員で、外交官が赴任地のクラブに加入するのは一般的なことだと説明している。その後、国民党の立法委員の忠告に従って同クラブのイベントには参加しないなど距離を置いたが、聯合報は「それでも政権の信頼を得ることはできなかった」と報じた。
一方、台湾独立建国聯盟など独立派は、齋藤所長の日台関係への貢献を称え、台北市の国賓大飯店で14日に盛大な歓送会の開催を予定している。
齋藤所長の後任には、東南アジア諸国連合(ASEAN)担当特命全権大使の鹿取克章氏が当たるという観測が出ている。