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虚偽報道で病院経営に大打撃、蘋果日報を院長が痛烈批判


ニュース 社会 作成日:2009年12月8日_記事番号:T00019695

虚偽報道で病院経営に大打撃、蘋果日報を院長が痛烈批判


 蘋果日報が3日間連続で北城婦幼医院(台北県土城市)の「医療ミス」を報道したのは2006年8月のことだった。「いい加減な検査で奇形児出産」と題したその記事は、同病院が妊娠中に胎児の状態を調べる超音波(エコー)検査で、先天性異常のホルト・オーラム症候群を検出できず、奇形児が生まれたという内容だった。

 当時、大々的にバッシングを受けた北城医院の徐木泉院長は激怒。ホルト・オーラム症候群は超音波検査では検出できない先天性異常で、医療ミスとはいえないからだ。しかも、この記事を書いた蘋果日報の蔡記者は、奇形児を出産した女性の姉をかたり、同病院に500万台湾元の賠償金を要求し、徐院長に拒否された経緯も。

 このでっちあげ記事によって、月間患者数が平均延べ5,000人、最高7,000人あった北城医院の評判はがた落ちに。赤字は2,000万元にも膨れ上がった。

 徐院長はでまかせ報道で被害を受けたとして、蘋果日報と蔡記者に対して700万元の損害賠償を求める民事訴訟を起こした。その後07年末には、裁判に専念するため、開業20年に及ぶ同医院の経営を終了せざるを得なかった。

 今年7月末に最高裁判所が下した判決は、蘋果日報と蔡記者に30万元の損害賠償支払い、および蘋果日報のトップぺージに2日間謝罪広告を掲載するよう求めたもので、徐院長の勝訴だった。

 ところが判決が出てからも蘋果日報は遅々として謝罪広告を出さず、徐院長側から何度も督促されてやっと重い腰を上げた。トップぺージの左下、紙面の4分の1の大きさの謝罪広告が掲載されたのは、判決から4カ月以上たった12月7日だった。

 徐院長は蘋果日報に対し、「法律など眼中になく、決して間違いを認めないごう慢な態度」「常に根拠のないニュースをねつ造し、社会をかく乱する」と強く批判。今後は被害者協会を立ち上げ、蘋果日報の誤報で被害を受けた人が訴訟を起こす手助けをしたいと話している。

 なお、香港資本の蘋果日報については、「台湾に愛着がなく、金儲けしか頭にない」「言論の自由の乱用」と評する声も出ている。