ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

チップボンドがIST合併、日台大手の受注掌握


ニュース 電子 作成日:2009年12月8日_記事番号:T00019722

チップボンドがIST合併、日台大手の受注掌握

 
 液晶ディスプレイ(LCD)ドライバICパッケージング・テスティング(封止・検査)世界最大手の頎邦科技(チップボンド・テクノロジー)は7日、同業大手の飛信半導体(IST、インターナショナル・セミコンダクター・テクノロジー)を株式交換を通じて合併すると発表した。2010年7月の実施予定で、チップボンドが存続会社となる。川上の液晶パネル業界が再編に動く中、合併を通じて世界最大手の座をより強固なものとする狙いがある。8日付工商時報などが報じた。
T000197221

 
 両社は来年1月25日に臨時株主総会を開催する。株式交換比率は、チップボンド1株に対しIST1.8株。合併後の資本金は54億4,000万台湾元(約150億円)となる。ISTに50%出資しているノートパソコン受託生産大手、仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)が新チップボンドの筆頭株主(持株比率約9%)となり、董事会(取締役会)に董事2人、監事(監察人)1人を派遣する予定だ。チップボンドの現在の筆頭株主、聯華電子(UMC)の持株比率は約3%となる。

 液晶パネル業界で鴻海科技集団(フォックスコン)傘下の群創光電(イノルックス・ディスプレイ)、奇美電子(CMO)、統宝光電(トポリー・オプトエレクトロニクス)が来春の合併を決めた中、チップボンドの鄭明山副総経理は、同業者間の値下げ競争や過度の生産能力拡張などの不毛な争いを避けることが今回の合併の目的と強調した。

 ISTの江煥富広報担当は合併のメリットとして、生産能力拡大、コスト低減を挙げたほか、市場で価格決定の主導権を握れる立場になると指摘した。

生産能力、大幅拡大

 合併後の月産能力は、▽金バンププロセス、25万枚(ウエハー換算、チップボンド14万枚、IST11万枚)▽COF(チップ・オン・フィルム)実装、1億個(チップボンド5,500万個、IST4,500万個)▽COG(チップ・オン・グラス)実装、1億個(チップボンド5,000万個、IST5,000万個)──が見込まれる。同業他社に大きく差を付けるだけでなく、自社ICを対象とするサムスン電子にも並ぶ規模となる見通しだ。

 証券会社からは、合併後のチップボンドが、▽NEC▽ルネサステクノロジ▽聯詠科技(ノバテック・マイクロエレクトロニクス)▽奇景光電(ハイマックス・テクノロジーズ)▽矽創電子(シトロニクス・テクノロジー)──など、日台大手メーカーの受注をほぼ握るという予測が出ている。

【表】