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ベトナム産茶葉、海を渡って台湾茶に大変身


ニュース 社会 作成日:2009年12月14日_記事番号:T00019812

ベトナム産茶葉、海を渡って台湾茶に大変身


 台湾の茶葉生産量は年間1万7,000トン。そのうち9,000トン以上が海外へ輸出されている。一方、海外から台湾に輸入される茶葉は、年間2万7,000トンで、そのうち7割がベトナム産だ。

 ところが、市場でこれら外国産の茶葉を見かけることはほとんどない。消費者の口には入らないのかと思えば、とんでもない。

 台北県政府消費者保護官が11月、県下の茶葉輸入業者を調査したところ、6業者のうち4業者(伝佳、大同、桔揚、東爵)が、ベトナムやインドネシア産の安い茶葉を台湾産茶葉に混ぜ、「台湾茶」と称していることが分かった。

 本物と偽物が混在する「台湾茶」の背景には、やはりコスト問題があるようだ。台湾産茶葉は安いものでも約600グラム当たり600台湾元はするが、ベトナム産は160~300元と台湾産に比べ2分の1~4分の1。ある茶農家は、量販店などで売られている徳用サイズの安いお茶には、外国産茶葉が混ぜられていると思ってまず間違いない、と語る。

 調べによるとこの4業者は、「悦氏」「光泉」「泰山」などの大手茶飲料メーカーのほか、家楽福(カルフール)、大潤発(RTマート)、愛買(aマート)など量販店の自社ブランド茶飲料向けに茶葉を供給。「台湾産茶葉も入っており、台湾で製造加工したので、産地を台湾と産地表示した」と釈明している。

 目下、約40種類の茶飲料を販売している悦氏食品によると、原料が台湾では入手できないジャスミン茶以外は、ほぼ100%台湾産の茶葉を使用しているとのこと。光泉食品は、製品中のベトナム産茶葉は5%以下で、95%は台湾産を使用しているという。

 一般に、茶葉の産地を見分けるのは難しい。特に茶葉が細かく砕かれているティーバッグなどは、専門家でさえも肉眼や味では判別できないという。消費者としては、行政院農業委員会の農産物安全追跡システム(TAP)が付いた茶葉製品を買い求めるのが安心だろう。