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太陽電池のイートン、設備6割増強へ


ニュース 電子 作成日:2009年12月14日_記事番号:T00019840

太陽電池のイートン、設備6割増強へ

 
 太陽電池大手の益通光能科技(イートン・ソーラーテック)は、需要好調を受けて現在320メガワット(MW)の年産能力を来年500MWまで6割拡張する。太陽電池業界では先週、最大手の茂迪科技(モーテック・インダストリーズ)に台湾積体電路製造(TSMC)が62億台湾元(約170億円)を出資する資本提携が決まったばかりだが、郭俊華イートン総経理は、同社も大手メーカーと協議を行っていることを明らかにした。14日工商時報などが報じた。
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 イートンは設備投資の資金需要をまかなうため、来年第1四半期に新株発行による約25億元の調達を計画している。新株は1株約80元以上、3万枚の発行を予定する。イートンの先週11日の終値は86.5元で、割引率はわずか7.5%と強気な設定だ。

 同社の今年1~11月の太陽電池出荷量は197MWで、通年では225MWが見込まれる。昨年実績は95MWのため137%の計算になる。来年の実際の生産量は少なくとも300MWを上回るとみられる。

 郭総経理は来年の見通しについて、業界の最悪期が既に過ぎ去り、第4四半期も受注が好調なことから「悲観する理由はない」と語った。現在、受注は生産能力の2倍水準に達しており、一部に重複受注があるとみられるものの、需要の力強さは疑いないとした。

 また、太陽光関連製品は単価の下落が進んでいるものの、これにより太陽電池の発電コストが他のエネルギー源による発電コストに接近する時期が早まるとの見方だ。郭総経理は、「従来は2015~20年にその時期を迎えると予想されていたが、最近は12年に早まるという見方も一部の研究機関によって提示されている」と指摘した。

「相互補完でウィンウィン」

 他社との提携については、「戦略提携であれ垂直統合であれ、相互補完によるウィンウィンで市場シェアの拡大を目指す」との方針を挙げた。また、具体的なメーカー名は避けながらも「現在、中国市場への進出を計画する外国企業とも接触している。当社の姿勢はオープンで、(提携先は)台湾メーカーに限らずいかなる形も排除しない」と強調した。

【表】
 イートンの将来像については「太陽エネルギー業界の大リーグでプレイするのみならず、先発ローテーションを目指す」との表現で、主力企業へと成長する目標を語った。