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台プラグループ、春節ボーナス4カ月に


ニュース 石油・化学 作成日:2009年12月17日_記事番号:T00019930

台プラグループ、春節ボーナス4カ月に

 
 台塑集団(台湾プラスチックグループ)が、来年の春節(旧正月)ボーナスの支給額を最低4カ月とすることを決めたもようだ。台湾塑膠工業(フォルモサ・プラスチックス)など主要4社の今年の通年利益が、前年比126%増の1,100億台湾元(約3,050億円)以上を記録する見通しとなったことを受けての方針で、昨年の支給実績2.99カ月を上回ることは確実となった。昨年は中止した忘年会(尾牙)も復活させる。17日付工商時報が報じた。
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 今年は台プラグループにとって、中国および中東で予定されていた石化新プラントの稼働が遅れたこと、中国市場での内需拡大、および国際原油価格の上昇が追い風となった。ただ、利益1,100億元は依然2007年実績2,190億元の約半分の水準だ。

 台プラの忘年会は来年1月18日に雲林県の第6ナフサ分解プラントで予定されている。昨年の創業者・王永慶氏の死去を受けて、王文淵総裁が初めて主催し、グループ各社の幹部ら560人が参加する。 なお、石化業界では2位グループの台聚集団も、グループ各社で2~4カ月の春節ボーナス支給を予定している。

台塑、「来年の2けたの利益成長」

 台塑の李志村董事長は、来年は最低でも2けたの利益成長率を達成できるという見方を示している。

 要因の一つは中東地域の石化原料不足で、イランではエチレンプラント5基の稼働率が50%まで低下している。

 また、タイ中部ラヨーン県で、アクリロニトリルやポリ塩化ビニル、ポリエチレンなど石化中間製品を含む65事業が、公害懸念から最高行政裁判所に事業凍結を命じられている。現在上訴が行われているものの、計画の遅れは確実で需給引き締めには有利だ。

 さらに中国市場の需要が安定していること、欧米市場の回復が見込めることが明るい材料だ。中国市場では今年第1~第3四半期に10億6,200万元の黒字を計上。昨年は通年で20億6,400万元の赤字で大幅な成長となった。

ナフサプラント対中投資、早期開放訴え

 経済部がナフサ分解プラントの中国投資を当面開放しない方針と報じられていることについて李董事長は16日、「石化川上産業の中国進出は、遅かれ早かれ必ずやらなければならないことだ。(経済部は)頭を使っていないし努力もしていない」と強く批判した。

 李董事長は、「石化メーカーに市場拡大の余地が残されているのは全世界で中国だけでだ。川上と川下が連携してこそ強みを発揮でき、川下のみを開放して川上を封殺するのは全く誤った行政指導だ」と語り、一刻も早く投資開放に踏み切るよう訴えた。

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