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台湾初のLTE試験網、中華電信が設置へ


ニュース 電子 作成日:2009年12月18日_記事番号:T00019960

台湾初のLTE試験網、中華電信が設置へ

 
 中華電信は17日、転送速度が第3世代(3G)規格の約100倍で「4G」と呼ばれる次世代移動通信規格「LTE(Long Term Evolution)」の試験ネットワークを設置することでエリクソンと提携覚書を交わした。通信キャリア最大手の中華電信による試験網設置の決定は、台湾LTE産業の幕開けと言え、指標的な意義を持つ。18日付工商時報などが報じた。
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 中華電信によると、LTE試験ネットワークは、エリクソンがLTE基地局および加入者宅内機器(CPE)を提供、台湾北部に設置し、来年3月に供用開始の予定だ。

 エリクソンとの契約締結式典に出席した中華電信研究所の涂元光所長は、「双方が協力して設置するLTE試験ネットは、当研究所が参加する網路通訊国家型科技計画(NCP、ネットワーク通信技術国家計画)の一環」と語り、「台湾ICT(情報通信技術)産業のレベルアップのため当社は時代の最先端を走る必要がある」との考えを語った。

 試験ネットワークでは、実際環境におけるLTE技術と性能をチェックするほか、ネットワーク機器メーカーなどの接続テストに利用してもらうことも計画している。

 なおエリクソンはLTEで、先ごろ世界初のLTE商用サービスを開始したスウェーデン・TeliaSonera社のほか、米ベライゾン・ワイヤレス、NTTドコモなどと提携しており、世界をリードする地位にある。台湾エリクソンのステファン・ヨハンソン総経理は、今後24カ国51の通信キャリアがLTEサービスの提供を計画しており、来年には全面的な商用サービスを開始する業者があるとの見通しを示した。

台湾での商用化は2012年

 工商時報によると、台湾のICT産業では川上から川下まで既にLTE商機の獲得に向け始動しており、華碩電脳(ASUS)、合勤科技(ザイセル・コミュニケーションズ)、正文科技(ジェムテック・テクノロジー)がLTEをサポートするネットワークカード、低価格ノートパソコン(ネットブック)、携帯電話の開発を始めている。これらのメーカーは中華電信研究所と接続テストについての協議も行っており、証券会社アナリストは「LTEは台湾では早ければ2012年に商用化される」と予測している。

LTEとWiMAX、並行推進

 ただ中華電信は、次世代高速通信規格でLTEと主流の座を争うWiMAX(ワイマックス)の推進にも並行して力を注ぐ構えで、「モバイルブロードバンド時代到来を迎え、世界市場における競争力を保持するため、台湾ではWiMAXとLTEを並行して発展させる必要がある」との認識を示している。 
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