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花蓮新県長が県政私物化、妻を副県長に任命


ニュース 社会 作成日:2009年12月21日_記事番号:T00019961

花蓮新県長が県政私物化、妻を副県長に任命

 
 12月5日に実施された花蓮県長選では、国民党から除名処分を受けながら無所属で立候補した傅崐萁氏(42)が得票数8万5,532票で圧勝、当選を果たした。20日、その花蓮県長就任式が、傅氏がかつて所属した親民党の宋楚瑜主席ら3,000人余りが出席する中で行われたのだが、傅県長は就任演説で突然、妻の徐榛蔚さん(42)を舞台に上げ、彼女を副県長に任命すると宣言。この爆弾発言に大きな波紋が広がっている。
 
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傅崐萁夫妻の判断は有権者に受け入れられるのか?妻が権力を握って失敗したのは陳水扁前総統の「悲劇」があったばかりなのだが(中央社)
 
 というのも、「公職人員(公務員)利益衝突回避法」の規定では、「夫が県長、妻が副県長」というこのパターンは明らかに違法だからだ。

 しかし傅県長は、「妻とは既に(18日)に離婚している」と述べ、赤の他人となった「元妻」を副県長に任命することは何ら問題ないと強調。その上で、副県長の給与は全額寄付する意向も明らかにした。

 妻の徐さんは、2006年に「花蓮県模範嫁」に選出されたこともある1男2女の母。公益活動に非常に熱心で、これまで夫を陰で支えてきたとはいえ、政治家としては全くの素人だ。

 この「政略離婚」、実は傅県長による長期的な政治戦略が見え見えだ。というのも、傅県長は証券取引法違反罪で懲役4年の実刑判決を受けて控訴中の身。万一、有罪が確定した場合、副県長である「元妻」を県長代理に立て、その後の補選にも立候補・当選させて間接的に長期執政を狙う計画とみられるのだ。

 このパターンは、汚職事件で有期刑に処せられ、内政部から停職を命じられたため辞任した呉俊立・元台東県長が、政略離婚した妻の鄺麗貞氏を副県長にして、県長補選に当選させた「呉俊立・鄺麗貞路線」を踏襲するものだ。

 県長による政治の私物化に、県民からは「花蓮はもう終わりだ」「花蓮県政府は傅崐萁の家内事業か?」と批判の声が上がっている。

 ただ内政部によると、もし2人が離婚後もまだ一つ屋根の下で共同生活をしていれば、「三親等内」ではなくても「共同生活をする家族」に相当し、やはり「公職人員利益衝突回避法」違反になるというから、どうなることやら。