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江陳会3項目で署名、租税協定は見送り


ニュース その他分野 作成日:2009年12月22日_記事番号:T00020020

江陳会3項目で署名、租税協定は見送り

 
 馬英九政権発足後4回目となる中台窓口機関のトップ会談(江陳会)が22日開かれ、▽漁業労務協力▽農産物検査検疫▽商品検査認証基準──の3項目で合意書に署名した。中国に進出した台湾企業に対する二重課税防止を含む租税協定は第三地経由の間接投資の扱いをめぐって双方の意見が対立し、署名が見送られた。

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会談開始に当たって握手する江丙坤董事長(右)と陳雲林会長(左)(22日=中央社)

 22日付中国時報によると、現在、中国に進出した台湾企業が配当金を台湾に送金する場合、中国で25%の企業所得税を納めた上で、送金時にさらに10%の税金を納めなければならない。台湾財政部は、送金時の税率を香港企業と同様の5%に低減し、中国で納めた税金は台湾での所得控除の対象とすることで中国側と協議していた。しかし中国側は、直接投資の台湾企業には認めるものの、間接投資の場合は認められないと主張したため合意できず、今後引き続き協議を行うこととなった。馬政権下の中台トップ会談で、予定されていた合意署名が見送られたのは今回が初めてだ。なお、台湾はかつて中国への直接投資を禁止していたため、現在でも進出企業の85%が間接投資とされる。

ECFA、「一刻を争う」

 会談開始に当たって、台湾・海峡交流基金会(海基会)の江丙坤董事長は「アジアの経済統合が急速に進む中、両岸経済協力枠組み協定(ECFA)の推進は一刻を争うものとなっている」と発言。これに対し中国・海峡両岸関係協会(海協会)の陳雲林会長も「台湾産業界には地域統合が進むことへの不安から、両岸(中台)の経済協定の早期締結を望む声がある。両岸にとって共に有益で、大陸側は積極的に推進していく」と回答した。次回第5回の中台トップ会談に向けて、ECFAを協議対象としていくことを宣言したものと観測されている。

中国の台湾調達、100億ドル突破

 陳会長は協議に先立つ21日、中国の訪台調達団による調達額は既に100億米ドルに達し、今後も内需拡大および海外調達で台湾企業を特に優遇していく方針を語った。

 今回の訪台にも中国の全国規模の企業12社を含む大企業18社が随行しており、21日は彰化浜海工業区や台湾玻璃工業(台湾ガラス、台玻)の鹿港工場の視察を行った。