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作成日:2009年12月24日_記事番号:T00020055
ワクチン死亡例で接種者減少、感染拡大に懸念
新型インフルエンザ(H1N1)ワクチンの接種後に死亡や流産に至った症例が相次いで報じられたことを受けて、ワクチン接種を受ける人が激減しており、行政院衛生署は、感染拡大の要因になりかねないと懸念を強めている。24日付蘋果日報が伝えた。
ワクチンを接種する人数は、台中市在住の7歳男児が敗血症で死亡したケースが伝えられたことで激減。先週まで毎日13万~14万人に上っていた接種者は、23、24の両日はは10万人にとどまった。台北市内の開業医では、ワクチン接種予約を取り消す人や予約当日に来院しない人が増えているという。死亡した男児が通っていた小学校では、ワクチンの2回目の接種が延期された。学校側が保護者にワクチン接種の同意書類提出を求めたにもかかわらず、3分の1しか同意が得られなかったケースも報告されている。
死亡例とワクチンの因果関係は証明されていないが、接種人数の激減は、住民に不安心理が広がっていることを物語っている。現在、台湾全土での住民のワクチン接種率は20%にとどまっている。
張上淳・衛生署副署長は「9歳以下の子供が1回しか接種を受けない場合、70%の子供は抗体が不足し、インフルエンザに感染するリスクにさらされる」と述べ、速やかにワクチンを接種するよう呼び掛けた。