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ハトレースでインチキ、車に乗せて高速道路疾走


ニュース 社会 作成日:2009年12月25日_記事番号:T00020088

ハトレースでインチキ、車に乗せて高速道路疾走

 
 台湾で伝書バトによるハトレースが始まったのは1930年。愛鳩家人口は第二次世界大戦後急増し、目下25万人以上に上る。大規模なハトレースは、季節ごとに年4回、北、中、南部の3エリアに分けて実施されている。

 ハトレースの人気が高まるとともに、暴力団が介入するレース賭博も横行。大規模レースでは十数億元、県規模の地方レースでも2億元に上る賭け金が動くという。

 ここ数年来、レースのインチキ防止のため、スタート地点を海上としたり、ハトにデジタル足輪を着け、GPSを通して飛行位置を確認したり、ビデオ録画やテレビ中継なども導入して、ルール違反を根絶したはずだった。

 ところが、今月実施された「北海冬季ハトレース」で、大胆な手口のインチキが発覚した。なんと、レース途中でハトを車に乗せ、ゴールへ運ぶというものだ。

 インチキ行為により詐欺罪で送検された林慧山容疑者(46)によると、まず桃園県大渓にハトの訓練基地を設置し、レースのスタート地点、基隆外海180キロの海上で放たれたハトがここへ戻るよう訓練した。

 基地へ戻ったハトを仲間の蔡永芳(33)と洪聖家(26)容疑者が空気穴を開けた果物箱の中に入れて隠し、BMWに乗せ、ハトの飛行速度の2倍に相当する時速160キロのスピードで高速道路を疾走し、ゴール地点の雲林県土庫鎮の鳩舎へ。約1時間の時間短縮で優勝を狙うという筋書きで、成功すればレース賞金の数十万元と、賭博による1,000万元以上のもうけが手に入るはずだった。

 ところがレース本番では、高速道路の料金所で待ち構えていた警察に取り押さえられ、あえなく失敗してしまった。

 なお、このハトは過去3回の連続優勝経験を持つチャンピオンで、10万元の値がついているというが、いずれもインチキで勝った可能性が高い。しかし今回のレースは失格となるものの、過去に獲得した賞金を返還させるのは困難とみられる。

 ハトと車のリレーによるインチキに、「これじゃ一体、ハトレースなのか、カーレースなのか分からん」との声も出た。