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台湾が韓国より有利?液晶パネルの中国投資


ニュース 電子 作成日:2009年12月25日_記事番号:T00020108

台湾が韓国より有利?液晶パネルの中国投資

 
 サムスン電子とLGディスプレイ(LGD)は24日、中国での液晶パネル次世代工場設置計画に韓国政府の正式認可を受けた。台湾パネル業界は中国投資開放の切迫性が一段と高まった形だが、市場調査機関、ディスプレイサーチによると、中台の連携によって韓国メーカーに対抗する傾向が強まる中、韓国大手2社が中国政府の認可を得られるかには依然不確定要素が残るようだ。25日付経済日報などが報じた。
 
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 現在中国では4億3,000万台のブラウン管(CRT)テレビが使用されており、今後10年間、液晶テレビへの買い替えが年平均4,300万台のペースで進むと予想されている。膨大な需要が期待できるため、日中韓の液晶パネルメーカーが中国での次世代ライン設置に積極姿勢を示しており、台湾業界では出遅れへの懸念が高まっている。

 ただ、現在計画が明らかになっている新世代ラインがすべて2011年~12年に量産に入れば、深刻な供給過剰問題に直面することが予想される。このため中国政府は第6世代以上のライン設置に対する審査をさらに厳しくする方針とされる。

次世代ラインは4業者のみか
 
 パネル業界の関係者によると、現在中国政府から正式に8.5世代工場の設置認可を受けたメーカーは、北京・京東方科技、昆山・龍飛光電、および深圳・TCL集団と深超光電による合弁の華星光電の3社のみだ。謝勤益ディスプレイサーチ副総裁は、中国政府は既に次世代工場の設置認可対象は、最大で4業者とする方針を打ち出していると指摘。サムスンとLGDは工場建設予定地の現地地方政府と提携覚書を交わしているが、自国メーカーの育成を優先させる立場の中央政府の承認を得られるかどうかは依然未知数だという。

 また、中国は台湾メーカーに対し、中台民間トップ会談(江陳会)のため来台した陳雲林・海峡両岸関係協会(海協会)会長が友達光電(AUO)に対中投資を促すなど連携を強めたい意向を示唆している。このため、AUOが「4枠」の残り1枠を獲得する可能性はある。

 台湾政府関係者によると、液晶パネルの中国投資は「既に部会(省庁)間で開放に向けた合意ができている」状況だ。12月30日に開かれる部会横断会議を受けて、正式発表が行われるものと予想されている。

奇美電技術者が中国メーカーに?
 
 なお、業界関係者によると、8.5世代ラインの設置認可を受けている華星光電は、鴻海科技集団(フォックスコン)との関係が深いとされ、鴻海傘下のパネルメーカー、群創光電(イノルックス・ディスプレイ)との合併が決まっている奇美電子(CMO)の技術者が華星光電にヘッドハンティングされているとの観測も出ている。

 一方AUOには、龍飛光電との提携観測が出ていたが、李焜耀AUO董事長は否定している。
 
【表】