世界一の超高層ビル、台北101ビル(高さ509メートル)の年越しカウントダウン花火ショーといえば、世界的に注目を集めるようになった大みそかの恒例行事。6回目の今年は過去最大規模となり、3,000万台湾元(約8,100万円)をかけて188秒間に2万2,000発の花火が打ち上げられ、観客を魅了した。
花火は例年通り、年越しにふさわしい盛大なものだった(中央社)
花火ショーでは毎年、ビルの側面にライトアップされる文字が話題を呼んでいる。2010年の今年の文字は「TAIWAN UP」。カウントダウンイベントに傘下した馬英九総統も郝龍斌台北市長も、ライトアップされた文字を見て「TAIWAN UP!TAIWAN UP!」と熱狂的に叫び、ムードを盛り上げた。
ところが、この英語を見た多くの外国人は意味が分からず、頭の中には「?」が飛び交ったようだ。「TAIWAN」と「UP」の間に「BOTTOMS」の文字があるはず(「乾杯」の意味)と推測した人や、下着メーカーの宣伝(バストアップの意味)と勘違いした人もいたらしい。また「台湾が起きる(wake up)」と解釈した人も、「それじゃ今まで寝ていたのか」と突っ込んだ。
台北101のスポークスマンによれば、ライトアップできる面積は限りがあり、最大7文字までしか表示できないため、協賛メーカーが伝えたい「台湾が奮起する、向上する」という意味を「TAIWAN UP」で表したという。台湾人なら誰でもすぐ分かるが、これは当地でしか通じない台湾式英語。「GO TAIWAN」とするほうが、むし
ろ外国人には分かりやすい。
世界の目が注目する花火ショーで、分かりにくい台湾式英語が披露されたことに対し、ネットなどで議論が白熱しているが、英語の専門家から「世界の笑い話になってしまい実に残念なことだ」と批判がある一方、「文法的には大きな誤りではないし、台湾に長く住んでいれば意味は分かる。楽しめればそれでいいじゃないか」とおうような意見も。また、むしろ世界的に中国語学習熱が高まる中、今年の干支である「虎」など、漢字を使った方が有意義という意見もみられた。
なお、台北101ビルは4日、アラブ首長国連邦(UAE)の超高層ビル「ブルジュ・ドバイ」(約820メートル)が正式に供用開始となるため、世界最高の座を明け渡す。