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1月液晶パネル価格、大幅上昇に


ニュース 電子 作成日:2010年1月4日_記事番号:T00020138

1月液晶パネル価格、大幅上昇に

  
 今年1月の液晶パネル価格は、川下顧客が在庫の積み増しを積極化していること、およびガラス基板などパネル材料の供給不足により、意外な大幅上昇となりそうだ。市場調査会社、ウィッツビューによると、総コスト割れに迫っていた液晶モニター用では上げ幅が5~7米ドル、テレビ用でも5米ドルと大幅なものになると予想される。受注量が生産能力を上回っており、価格の上昇傾向は2月も続く見通しだ。4日付工商時報が報じた。
 
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 モニター用パネル価格は12月下旬、花蓮市沖で発生したマグニチュード(M)6.8の地震でガラス基板の生産能力に影響が出たことにより下げ止まりを見せた。業界関係者によると、2月は春節(旧正月)連休で稼働日数が少ないことから、川下では12月下旬より在庫積み増しを強化しており、現在パネルメーカーの受注量は生産能力を大きく上回っているという。

 大画面液晶テレビの需要は引き続き旺盛で、テレビ用パネルのオファー価格も今月上昇に転じる見通しだ。ノートパソコン用パネルに関しては、依然少量の在庫消化待ちを残す状況にあるが、オファー価格は横ばいとなるとみられる。

 ウィッツビューは、春節連休中の中国市場での需要、および5月1日の労働節(メーデー)連休を前にした川下メーカーからの受注状況が予想通りの好調となれば、今年第1四半期のパネル価格はオフシーズンながら安定して推移すると予想している。

 川下メーカーおよびパネルメーカーは昨年、在庫状況に極めて慎重な姿勢で、早くも9月には在庫調整を開始した。このため現在オフシーズンにもかかわらず在庫水準は比較的低い状態となっており、中国市場での需要の高まりに伴ってパネル価格も前倒しで上昇を開始したと工商時報は分析している。ただ下半期には新生産ラインの稼働によって下落圧力に直面するとみられるため、今年通年のパネル価格見通しについて業界は慎重に見守る姿勢だと指摘した。
 
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10年需給は昨年より良好

 市場調査機関は、2010年のパネル需要が18~20%の年成長率を見せるのに対し、供給量の成長率は15~17%にとどまるとみており、今年のパネル需給状況は09年に比べて良好となると予測。こうした状況の中、工商時報は、もともと第1四半期は赤字が拡大するとみられていたパネル各社の業績は、昨年第4四半期が底となり今年は四半期ごとに上昇すると予測している。

 同紙によると、▽友達光電(AUO)▽奇美電子(CMO)と群創光電(イノルックス・ディスプレイ)の合併により誕生する新・奇美電子▽瀚宇彩晶(ハンスター)▽中華映管(CPT)▽元太科技工業(PVI)──の「台湾・新5大パネルメーカー」の昨年の売上高は9,300億台湾元(約2億7,000万円)前後だったみられるが、今年は1兆2,000億元と約30%の大幅成長を記録し、利益も昨年の800億元の赤字から400億元の黒字へと転換する見通しだ。
  
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