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作成日:2010年1月6日_記事番号:T00020168
宝くじ賞金9億元の誘惑、代理購入の夫婦が横取り

9億2,000万台湾元(約26億円)という高額の宝くじ当せん賞金をめぐる争奪戦が話題になっている。高雄市でロトくじ「威力彩」の1等が出たのは昨年7月2日のこと。賞金額は、台湾宝くじ史上3番目の高額で、7月8日、当たりくじを持参した張夫妻が20%の税金を差し引いた約7億4,000万元を受け取った。
ところが、この張夫妻の友人男性、涂さんが、「この当たりくじは自分が張夫妻に依頼して買ったもので、真の当せん者は自分だ」と提訴。訴えによると、エンジニアで数字に強い涂さんは、かねてからロトくじの分析に熱心で、当せん番号を割り出す方法を独自に研究。仕事で中国へ長期出張することになったため、昨年5月に張夫妻に2,000元を渡し、翌6月に中国から携帯電話のメッセージで2種類のくじ番号を指定し、威力彩を連続5回購入するよう依頼した。
ところが、この番号は5回ともハズレ。そこで涂さんは7月2日、再度張夫妻に連絡し、引き続き同じ番号を買うよう依頼した。そこで張夫妻は小港区の宝くじ売り場「漢生彩券行」で威力彩を購入し、1等が当たったという。
当せん金を独占した張夫妻は「当たりくじは自分たちが買ったもの」と主張しているが、ウソ発見器でも虚言反応が出ているとか。涂さんは当せんした夜、中国から喜びの電話を掛けたが、張さんの様子がおかしいことに気付き、通話内容を録音。その中に録音されている張さんの「分け前をくれよ」という一言が決めてとなりそうだ。
なお、この高額当せん金は、目下裁判所により凍結されているが、その行方が注目されるところ。検察は5日、張夫妻を背信罪で起訴しており、有罪判決が下された場合は、最高5年の懲役に処せられるという。欲に目がくらんだ代償は大きい。