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《新春特集》在台日系企業137社の分析による 「2010年春節賞与」(第1回:全体概要)


ニュース その他分野 作成日:2010年1月7日_記事番号:T00020205

《新春特集》在台日系企業137社の分析による 「2010年春節賞与」(第1回:全体概要)

 
●はじめに

 新年明けましておめでとうございます。平素はワイズニュースをご愛顧いただき誠にありがとうございます。今年もさらなるサービスと品質の向上に努めてまいりますので、変わらぬご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

 さて昨年は金融危機の影響を受けた大変な1年でした。多くの企業で業績が悪化し、いまだ本格的な景気回復とならない中で、春節(旧正月)の賞与支給は経営者の頭を悩ませる問題です。

 そこで今回はワイズリサーチで行った独自の調査結果を新春特集として5回にわたりお届けします。なお全5回の内容は以下の通りです※。

 第1回:全体分析(1月7日掲載予定)
 第2回:業種別分析(1月8日掲載予定)
 第3回:業態別分析(1月11日掲載予定)
 第4回:規模別分析(1月12日掲載予定)
 第5回:台湾企業予想(1月13日掲載予定)

 本稿が皆さまの春節賞与決定の目安になれば幸いです。

●調査サンプル概要
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 今回の調査は昨年11月25日~12月11日の期間に137社の日系企業にご協力いただきました。年末のお忙しい中ご協力いただきました企業さまにはこの場をお借りしてお礼を申し上げます。

 業種別では台湾の産業構造を反映するように電子業界が55社と最多で、化学業界の26社、機械業界の21社と続いています。

 業態別の分類では小売・卸売の61社が最多で、製造業の53社、サービス業の14社と続いています。ここでは日本の本社は製造業であっても台湾でのビジネスモデルは輸入販売をしている企業は卸売業に分類しています。

 規模別では10人以上30人未満の企業が45社、続いて10人未満の企業が30社と続いています。


●09年の業績は?
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 図2では、賞与は利益分配の意味合いが強いので、協力企業各社の昨年との業績比較を行っています。

 特筆すべきことは「100年に一度」といわれる不景気の中でも3割近くの企業の売り上げが成長していることです(左のグラフ)。大恐慌といわれるほどの不況ですが、その中でも3割近い企業が大きく売り上げを伸ばしているのは心強い限りです。

 ただし利益の方は約3割の企業が20%以上の減益と深刻な状況でした(右のグラフ)。

 この二つのグラフから、売り上げが伸びている企業でも、厳しい価格競争にさらされていることが想像できます。


●今年の春節賞与は?
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 図3は08年と09年の春節賞与を比較したグラフです。

 ご覧の通り、昨年は3~4カ月支給していた企業が今年は大幅に減少し、逆に1~2カ月支給の企業が大幅に増えています。

 今回の調査では賞与支給年1回の企業が39%で、51%の企業は年2回の支給となっていました。年間の総賞与支給月数では3~5カ月支給していた企業と6カ月以上支給していた企業が大幅に減少し、1~3カ月支給の企業が大幅に増加しています。

 全体をまとめると、一昨年からの不景気の影響で在台日系企業の多くは賞与支給月数を削減する傾向にあります。

 また当然の結果ですが「売上増減と賞与増減」「利益増減と賞与増減」の相関性を比較してみると「売り上げ」よりも「利益」の増減の方が賞与支給月数への相関性が高い結果となっていました。

 第2回は業種別の春節賞与分析をご紹介致します。


ワイズコンサルティンググループ代表 吉本康志
 
※ 本コラムは第1回のみ一般公開、第2回以降は会員様向け限定公開とさせていただきます

(表)(図)