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《新春特集》在台日系企業137社の分析による 「2010年春節賞与」(第2回:業種別分析)


ニュース その他分野 作成日:2010年1月8日_記事番号:T00020244

《新春特集》在台日系企業137社の分析による 「2010年春節賞与」(第2回:業種別分析)

 
●昨年の業種別の業績は?

 下のグラフ上段は在台日系企業の業種別の「売り上げ」の伸び率を、下段は同様に「利益」の伸び率を表しています。
T000202441

 
 上段のグラフから、「電機」「機械」「運輸、倉庫」の3業種では売り上げが30%以上ダウンした企業が3割を超え、特に「電機」では80%の企業が10%以上ダウンしており、昨年の業界の厳しさが読み取れます。

 逆に「電子」では30%以上ダウンした企業は13%と少なく、6割近くの企業が前年並み以上の売り上げとなっており、電子関連業界の早期景気回復がうかがえます。

 下段の「利益」をみると、「その他」の業種を除くすべての業種で2割以上の企業が「20%以上」利益を落としており、「電機」と「運輸、倉庫」では5割以上の企業が「30%以上のダウン」となっています。  特に「運輸、倉庫」関連業種では売り上げよりも利益の落ち込みが大きく、激しい価格競争が想像できます。


●業種別春節賞与支給月数

 下のグラフは業種別の春節(旧正月)賞与支給月数を表しています。
T000202442

 
 グラフの上端と下端はそれぞれ「最大支給月数」「最小支給月数」を表しています。

 四角形の上端は「上位25%を除いた最大支給月数」を下端は「下位25%を除いた最小支給月数」を表し、四角形の中は中心の50%が存在する範囲を表しています。 四角形の中の「×」印は「中心50%の平均」を表しています。

 ですから皆さまの企業の春節賞与の支給月数が四角形の中の範囲であれば業種の平均的な支給月数であるといえます。

 グラフをみると、驚いたことに「機械業種」では業績が大幅に悪化したにもかかわらず、平均支給月数が2.5カ月と最高水準にあります。  これは私どもがコンサルティングをさせていただいて感じるのですが「機械」や「化学」業種では、どちらかといえばのんびりした組織文化を持つ企業が多いことと関連があるのではと考えています。

 電子業種では台湾企業や欧米企業もインセンティブが高く業績の善し悪しが大きく報酬に反映するシステムになっていますが、「機械」や「化学」業種では大きなインセンティブは少ない代わりに、業績が悪くともあまりダイナミックな報酬減にはつながらない固定支給に近いシステムになっていることが多いようです。

 年間総賞与支給月数をみても、「機械」が3.6カ月、「化学」が3.4カ月と1位と2位を占め、特に「機械」の年間総支給月数では中心50%の企業の上限が5.0でした。

 最低支給月数をみると、春節賞与に限らず、年間賞与でも「電子」と「機械」では「賞与なし」の企業があり、経営者の皆さまのご苦労がしのばれます。

 第3回は業態別の春節賞与分析をご紹介致します。


ワイズコンサルティンググループ代表 吉本康志

【図】