財政部統計処の7日発表によると、2009年の輸出額は金融危機の影響で、前年比20.3%減の2,037億米ドルと、過去最悪のマイナス幅を記録した。ただ、下半期に入って回復傾向が強まり、昨年11月と12月は2カ月連続で200億米ドルを上回る輸出額を記録した。統計処は、今年の単月輸出額も200億米ドル水準が続き、通年では前年比15%増の2,349億米ドルとなる安定成長が見込めるという予測を示した。8日付経済日報などが報じた。
経済部国際貿易局(国貿局)は7日、今年の輸出成長が期待できる根拠として、企業による設備の輸入が最近大幅に増えている点を挙げた。企業投資の回復傾向を表しているとの見方だ。
昨年12月の輸入額は、前年同月比56.2%増の183億8,000万米ドルと、過去15カ月で最高だった。このうち設備の輸入が同54.7%増の28億2,000万米ドルを占め、2カ月連続で金融危機発生前の水準に達した。中でも半導体設備は前年同月比で4億1,000万米ドルも増えている。財政部賦税署によると、産業高度化促進条例が期限切れとなる昨年末まで、台湾で製造されていない設備機器の輸入に対して営利事業所得税(法人税)5%免除措置が適用されていたことも輸入増の一因とみられる。
なお、昨年12月の輸出額は過去14カ月で最高の200億3,000万米ドル(前年同月比46.9%増)に上った。
昨年の貿易黒字290億ドル、過去最高に
昨年、輸出不振が目立ったのは、輸出先別で見ると、▽中国大陸(香港含む)、前年比15.9%減の837億米ドル▽米国、同23.5%減の236億米ドル▽欧州、同24.6%減の226億米ドル──で、それぞれ下落幅は過去最大だった。製品別では、主力の電子製品で同10.7%減の567億米ドルと、マイナス幅が過去4番目に大きかったほか、▽基本金属とその製品、同31.4%減の194億米ドル▽光学器材、同27%減の150億米ドル──と不調が目立った。
一方、昨年通年の輸入額も、深刻な内需不振から前年比27.4%減の1,746億6,000万米ドルと、過去最悪の下落幅となった。ただ、輸入の落ち込みが輸出より大きかったため、貿易黒字は前年比91.3%増の290億4,000万米ドルで、過去最高となった。
【図】