今年、高雄市の観光促進に強力な新兵器がお目見えする。もともと第二次世界大戦で米軍が兵員輸送に用いた水陸両用車を改造した観光バスだ。陸上、水上ともに自由に走行することができることから、台湾では俗に「鴨子船(ダック船)」と呼ばれる。
観光業界の代表者など20人を集めて行った8日の試乗会では、「鴨子船は人気を呼び、ブームになること間違いなし」など高評価が相次いだ(8日=中央社)
高雄市が昨年10月、米国から5,000万台湾元で2台購入したこの水陸両用観光バスは、大型バスよりやや小さく、全長10メートル、全幅2.5メートル、乗車定員は28人。
水陸両用バスの運転は、大型車と小型船舶のライセンスを同時に保有し、米国で1カ月間訓練を受けたドライバーが担当する。春節(旧正月)の2月14~20日に、一般市民を対象に無料での試乗運転を行う予定で、正式営業は3月2日から。漢神巨蛋購物広場(漢神アリーナ)~蓮池潭間を約1時間で往復し、乗車券は1枚300元。
2台目の水陸両用観光バスは、4月に投入される見通しで、統一夢時代購物中心(ドリームモール)、光栄埠頭、愛河を往復し、高雄港と愛河の観光を一度に楽しむことができるようになるという。
陳菊高雄市長によると、2年前シンガポールを視察した際、同市が水陸両用バスの導入条件を備えていることに気付いたのがきっかけ。8日に蓮池潭で試乗した陳菊高雄市長は、「安定性、安全性ともに高く、快適」と絶賛した。
高雄市はさらに4台の水陸両用バスを購入する計画で、観光客を呼び込む新たな目玉にと期待されるところだ。
なお、水陸両用車は、戦後多くの国で観光用途に用いられており、日本でも大阪や長野県(諏訪湖)、栃木県日光市(鬼怒川)などで活躍している。