贈賄による当選無効判決などを受けて立法委員が空席となっていた桃園県第2選挙区、台中県第3選挙区、台東県全県選挙区で9日補欠選挙が行われ、3選挙区すべてで民進党の公認候補が勝利した。これにより同党は立法院での議席数を30に伸ばし、憲法改正や総統の罷免動議を提出できる全113議席の4分の1以上を確保した。国民党は74議席。10日付自由時報などが報じた。
台中県第3選挙区で当選した簡肇棟候補。中部で唯一の民進党立法委員となる(9日=中央社)
民進党の勝因としては、▽馬英九政権の施政への不満、および負けても中央政界での勢力消長に大きな影響を及ぼすことはないため、国民党陣営の支持者が積極的に投票に行かなかったこと▽桃園、台中では国民党支持層が分裂し、選挙運動に力が入らなかった一方、民進党候補者は2008年1月の前回選挙にも立候補しており知名度があったこと▽台東は国民党公認の鄺麗貞・前県長の評判が悪かったこと──などが考えられる。なお、投票率は、桃園県38.42%、台中県45.09%、台東県39.44%といずれも低い水準にとどまった。
立法委員の補欠選挙は、2月27日にも桃園県第3選挙区や花蓮県など4選挙区で実施が予定されている。台湾各メディアには、米国産牛肉の輸入問題をめぐる不手際や、性急な中国傾斜姿勢などによって有権者の馬政権への不満が高まっており、次回補選や年末の直轄市長選挙でも国民党は苦境に立たされるとの見方が多い。