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作成日:2010年1月12日_記事番号:T00020293
ホテルのサラダバーは要注意?農薬アセタミプリドを検出

行政院消費者保護委員会(消保会)は11日、国際観光ホテル15業者を対象に実施したサラダの農薬残留検査で、石蓮花(せきれんか)、豆苗(とうみょう)、ブロッコリー、ロメインレタス、ニンジンなど生野菜45種のうち、2種から農薬が検出されたと発表した。不合格率は4.4%だった。
農薬が検出されたホテルは、美麗信花園酒店(台北市、ミラマー・ガーデン・タイペイ)と高雄国賓大飯店(高雄市、アンバサダー・ホテル・高雄)。サラダ用生野菜の石蓮花から農薬「アセタミプリド」がそれぞれ0.28ppm、0.04ppm検出された。アセタミプリドは発がん性はなく、毒性は低いものの、過剰に摂取すると健康に害を及ぼすという。
石蓮花は、日本では朧月(おぼろづき)と呼ばれるメキシコ原産の多肉植物。食物繊維やビタミンが豊富に含まれ、肝臓病や痛風、歯周病、皮膚病、高血圧、便秘などに効果があり、新陳代謝が促進され美容にもよいことから近年食用としての人気が上昇。はちみつなどを付けて生で食べることが多い。
アセタミプリド検出を受け、石蓮花の供給業者は食品衛生管理法違反で6万台湾元(約17万円)以上30万元以下の罰金に。両ホテルはいずれも仕入れ先だった供給業者との契約を解除したという。
しかし、ここでちょっと首をひねりたくなることがある。というのは、アセタミプリドは使用禁止農薬ではなく、野菜における残留基準値が0.5~2ppmと設定されているからだ。例えば、トマトにおける残留基準値は1ppmで、今回不合格とされた2件の石蓮花における残留量は、いずれもこの数値を超えていない。
にもかかわらず、石蓮花が不合格となったのは、農薬販売業者が石蓮花をアセタミプリドの使用対象として登録していないためだ。従って、アセタミプリドは石蓮花からは「検出不可」なのであり、当然ながら残留基準値も設定されていない。
農業委員会はこうした不公平や矛盾をなくすため、昨年3月から農薬使用が未登録となっている野菜における残留基準値の設定を進めているという。