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09年売上高、鴻海がNo.1


ニュース 電子 作成日:2010年1月12日_記事番号:T00020319

09年売上高、鴻海がNo.1

 
 上場・店頭公開企業の2009年度売上高が出そろい、EMS(電子機器受託生産サービス)世界最大手、鴻海精密工業が1兆4,200億台湾元(約4兆1,200億円)で前年に続き首位となった。売上高が1兆元を超えたのは同社のみで、12日付聯合報は、垂直統合を進めたことを要因に挙げている。また昨年は金融危機の影響でほとんどの企業が減収となる中、ノートパソコン受託生産メーカーは成長を維持し、売上高ランキングで上位に食い込んだ。
 

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 鴻海の昨年売上高は、金融危機の影響によるコンシューマ向け電子製品の需要不振、特にデスクトップパソコンやマザーボード事業がダメージを受けたことなどで前年比3.56%減と同社初のマイナス成長を記録した。

 しかし、減少幅は液晶パネルの友達光電(AUO)やファウンドリーの台湾積体電路製造(TSMC)がいずれも10%を超え、従来型産業で首位の台塑石化(フォルモサ・ペトロケミカル)が30%近い減収となったことと比較すれば小幅にとどまり、3年連続の1兆元突破に成功した。

 大和総研の黄文堯アナリストは、「売上高こそマイナス成長となったものの、同社は引き続き経営体質の改善に努めており、昨年の利益成長は20%前後を維持している」と指摘した。

連結は今後、年5千億元ずつ成長
 
 さらにJPモルガン証券は11日、鴻海科技集団(フォックスコン)は今年、傘下の液晶パネルメーカー、群創光電(イノルックス・ディスプレイ)が、台湾2位の奇美電を合併することで爆発的な成長力が期待できるとして、鴻海精密工業、群創、富士康国際(FIH)などの「鴻海ファミリー企業」の目標株価を引き上げた。

 JPモルガンは、液晶テレビ受託生産、デルやノキアなど主要顧客の外部委託率引き上げ、サーバーやネットワーク機器メーカーの需要増加により、今年の鴻海の連結売上高は28%増の2兆4,960億元に、来年は2兆9,370億元まで成長すると予測している。

ノートPC、商品戦略が奏功
 
 09年の売上高ランキングは例年通り、電子製品受託生産、液晶パネル、石油化学、ファウンドリーが上位10社を占めたが、10社のうち前年比でプラス成長を記録したのは、仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)、緯創資通(ウィストロン)、英業達(インベンテック)のノートPC受託メーカー3社のみとなった。また、ランキング2位に入った広達電脳(クアンタ・コンピュータ)もマイナス1.67%の小幅減収にとどまった。

 この結果について聯合報は、不景気の中、ノートPCブランド各社が相次いで低価格ノートパソコン(ネットブック)の新製品を発売したり、軽量薄型、省電力、低価格を強調した戦略を打ち出したことが、受託メーカーに恩恵をもたらしたためと分析している。
 
【表】