たばこのポイ捨てをなくし、まちの環境美化を推進するため、行政院環境保護署(環保署)は歩きたばこの際の吸い殻入れ携帯義務付けや、バイクや自転車運転時の喫煙禁止を盛り込んだ「環境衛生および整潔美質促進法草案」を年内にも立法院に提出する。室内での喫煙などを厳しく規制した「煙害防制法(たばこ被害防止法)」に続き、喫煙者により一層のマナー向上を求めていく。13日付中国時報などが報じた。
同法草案は、屋外の公共スペース(私有地以外)を規制の対象としている。歩きながらのみならず、立ち止まっての路上喫煙も、灰皿が設置されている場所に限定される。違反者には罰金1,200~6,000台湾元(約3,400~1万7,200円)を科す。沈世宏・環保署長は、年内に立法院の審議を経て公布し、来年年初から施行したいというスケジュールを示した。4人に1人がポイ捨て
行政院衛生署の推計によると、台湾全土の喫煙者は388万人。環保署の統計分析では、ポイ捨てされた吸い殻は年間100億本以上に上り、4人に1人がポイ捨てしている計算だという。 環保署が台湾経済研究院(台経院)に委託して15才以上の市民1,067人を対象に行った電話アンケート調査によると、「自動車やバイク運転中の喫煙に反対」の回答は84%、「路上喫煙はすべきでない」は58%に上った。また、喫煙者174人のうち、84%が「ポイ捨てをしたことがある」と回答。その理由は、「灰皿や吸い殻入れが周りになかったから」が70%を占め、25%は「ポイ捨てが習慣になっている」と答えた。
沈環保署長は同調査を基に、ポイ捨て禁止に市民の高い支持が得られているとの見方を示した。一方、一部愛煙家などからは、法制化に反対の声も上がっている。
施行に課題も
ただ、同法の施行には課題も多く残されている。例えば、違反者の取り締まり基準や方法、空き缶や名刺入れなどが携帯用吸い殻入れの代替品として認められるか、設置された灰皿から何メートル以内であれば喫煙が可能かなどだ。
なお、昨年1月に施行された「たばこ被害防止法」では、この1年で住民が違反だとして検挙を求めた件数は3,368件に上ったが、実際に取り締まり対象となったのは、証拠が確認できた132件と、全体のわずか4%だった。
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