●台湾企業の春節賞与予想
2009年12月初旬にワイズリサーチが台湾企業で働く台湾人従業員150名を対象に行った春節賞与予想調査によると、半数近くの従業員が「昨年と同じくらい」の賞与を予想している結果となりました。
「昨年より増える」と答えた割合は12%でした。「昨年より減る」と答えた割合は28.7%で、「ボーナスがない」と予想した15.3%を加えると、44%の人が「減額を覚悟している」ようです。
このグラフから多くの従業員は「今年の春節賞与は良くて昨年と同程度」と予想していることが分かります。
同時期に企業側はどう考えているかを知るちょうど良いデータがありましたのでご紹介します。上図は人材紹介大手の104人材バンクが同時期に台湾企業984社を対象に行った調査ですが、全体的には昨年と同程度、「IT電子」と「小売・卸売り」については昨年より微増という結果でした。
●IT関連業界
今回のレポート作成に当たり、ワイズリサーチでは台湾大手企業にも春節賞与についてインタビュー調査を行いましたのでご紹介致します。
IT関係ではパネル業界は賞与支給月数を減らしているものの、その他の企業では昨年と同等か昨年以上の支給月数となっています。
●金融業界
前頁の104人材バンクの調査では金融業界は昨年と比べ減額となっていますが、ワイズリサーチの調査では増額傾向にありました。
調査時期はほぼ同じですので矛盾していますが、ワイズリサーチの調査対象企業は大手企業のみでしたが、104人材バンクの調査は大手に限らず幅広く行っているのが原因と推測しています。
●電信・自動車・公営企業
電信および公営企業では良くて横ばいで、減額となっている企業が多いことが分かります。
●その他
石化最大手、台湾プラスチックグループは通年利益が126%増であったため、昨年半額以下にした春節賞与は大幅な増額となっています。
ワイズコンサルティンググループ代表 吉本康志
(図)(表)