ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

住宅ローンの負担、過去最悪に


ニュース 金融 作成日:2007年8月10日_記事番号:T00002042

住宅ローンの負担、過去最悪に

 
 台湾住民の住宅ローン負担が、これまでで最も重くなっていることが中央銀行の統計で明らかになった。今年6月末現在、不動産ローンの残高総額は5兆4,090億台湾元(約19兆4,700万円)で、個人向け融資のうち住宅ローンが占める割合は69%と、いずれも過去最高値を更新した。銀行に100元を借りた場合、70元は住宅の支払いに充てられることを意味し、10日付工商時報は、「台湾人は家を買うためにまさに一生苦労する」と報じている。
T000020421

 
 5兆4,000億元は、利率を年3%で計算すると、ローンの借り手が1年間に支払う利息の合計は1,600億元に上る。

 今から8年前の1999年当時、個人向け融資全体に占める住宅ローンの割合は61%で、05年までは60%前後で推移していた。しかし06年以降、一挙に上昇する。台北富邦銀行の高永和資深経理はこの原因として、信用ローンとクレジットカードの不良債権に衝撃を受けた銀行が、住宅ローンへの注力に方向転換したこと、および住宅価格が上昇する中、あえて借金をして不動産を買う購買層が多かったことを挙げている。

 ある報道によると、住宅を購入した30代の世帯では現在、支出の40%が住宅ローンの返済に充てられているという。

土地銀が金利引き上げ

 こうした中、金融業界で住宅ローンの貸出額が最も多い台湾土地銀行が10日、利率を従来の2.24%から0.2ポイント引き上げ、2.44%とした。また、これまでは返済開始の最初の6カ月は固定金利だったが、変動金利に切り換えた。7カ月目から24カ月目までは2.63%、3年目からは3.13%となる。引き上げによって同行から住宅ローンを借りている約30万人に影響が出るとみられるが、同行消費者金融部の朱玉峰経理は、「顧客開拓のために低くしていた金利を、正常な水準に戻しただけ」と説明している。

 中央銀行の統計によると、現在域内の銀行の住宅ローンで、最も高い利率は2.5%(第一銀行、台湾企業銀行、新光銀行)で、最低は英スタンダードチャータード銀行の2%だ。ただし、返済期間が3年目に入って以降は、3%以下という銀行はない。

 土地銀の住宅ローン金利の引き上げについては、「5年間続いた低金利時代が終わりを告げた」というのが金融業界の一致した見方だ。特に固定金利をやめて、変動金利を採用したことについては、「今後の金利上昇を予想しての措置」と指摘されている。半年間の固定利率は、各銀行が顧客獲得のために競って打ち出していたが、台湾銀行や台北富邦銀行も近く取り消す見通しだ。