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3D映画「アバター」で脳卒中、40代男性が死亡


ニュース 社会 作成日:2010年1月19日_記事番号:T00020443

3D映画「アバター」で脳卒中、40代男性が死亡

 
 2009年12月に公開されたジェームズ・キャメロン監督の「アバター」(中国語名:阿凡達)は、構想14年、製作4年という壮大な3D(3次元)映画。1月17日には第67回ゴールデングローブ賞の作品賞(ドラマ部門)と監督賞に輝き、アカデミー賞の呼び声も高い話題作だ。

 ところがこのほど、40代の男性が「アバター」を観賞中に脳卒中を起こし、死亡するという痛ましい事件が起きた。3D映画で死者が出たのは前代未聞だが、リアルな映像が過度の刺激となり、死につながったとみられている。

 この男性は新竹県在住の42歳。高血圧の持病があり、長期にわたり降血圧剤を服用していた。

 なかなか入手できなかった「アバター」のチケットをやっと手に入れた男性は、1月3日、妻と2人の子ども、弟と一緒に映画館を訪れた。午後8時~11時の部だったが、男性は半分観たところで気分が悪くなった。3D用メガネを時々外しながら見続けたものの、上映時間終了間際には座っていられないほど具合が悪くなった。

 男性は妻と弟に抱きかかえられ、映画館スタッフが呼んだ救急車で、近くの南門医院へ。しかし、脳幹出血で既に意識はなく、台北栄民総医院の集中治療室に転送されたが、肺炎を併発し14日に帰らぬ人となってしまった。

 3D映画はその迫力ある映像のために、人によっては頭痛やめまい、吐き気、目の痛みを起こすことがある。海外では「アバター」観賞後にうつ状態になったケースもあるとか。

 行政院衛生署新竹医院の葉伯寿神経内科主任医師によると、高血圧や糖尿病など心血管疾病の持病がある人にとって、3D映画を見ることは、ホラー映画を見ることやジェットコースターに乗ること、サウナに入ることと同じ。外界から強すぎる刺激を受けると、血圧が急上昇しやすいため、このような行為はできるだけ避けたほうがよいという。

 3D映画によって映画は新しい時代に突入したといわれるが、専門家は健康な人でも10分ごとに3D用メガネを外すなど、適度に休憩を取ることを勧めている。映画のために命を落とすような悲劇を繰り返さないためにも、十分注意が必要だ。