ニュース
金融
作成日:2010年1月19日_記事番号:T00020453
中国工商銀、上海国泰人寿の株式50%取得へ
台湾を訪問している中国工商銀行の姜建清董事長は18日、国泰金融控股本社で同社の蔡宏図董事長ら幹部と会談し、工商銀が台湾生命保険大手、国泰人寿保険の中国法人、上海国泰人寿保険の株式50%を中国東方航空から取得することで合意した。19日付工商時報が伝えた。
中国の商業銀行最大手の工商銀と国泰人寿の資本提携は、中台間の金融交流拡大で象徴的な意味を持つ。今後は工商銀の董事会、株主総会での承認、中国銀行業監督管理委員会(銀監会)による認可という手続きを踏む。株式の譲渡代金は約4億人民元(約53億円)となる。
上海国泰人寿は2005年2月に営業を開始し、資本金は8億人民元。現在は8つの省・直轄市で営業免許を取得している。上海国泰人寿は工商銀との提携実現で、工商銀の中国全土の店舗網を通じた販売が可能となり、事業拡大に向け協力なパートナーを得たことになる。中国銀監会が昨年、銀行が保険会社に出資することを解禁して以降、台湾保険会社への出資例は今回が初となる。
姜董事長らによる今回の訪問では、国泰金控本体への出資が決まる可能性も指摘されていたが、台湾側の関連規定が発表されていないことから、今後の課題として残された。外電は工商銀が国泰金控に20%出資する見通しと報じていた。