ブルーレイディスクの読み取りヘッドやドライブなど、関連メーカーを集めた台湾初の「ブルーレイ産業特別区」が中部科学工業園区(中科)二林園区(彰化県)で計画されている。楊文科・中科管理局長が、行政院国家科学委員会(国科会)に計画案を申請したことを明らかにした。関連企業の集積により研究開発(R&D)の効果を高め、台湾ブルーレイ産業の発展を促す考えだ。19日付工商時報が報じた。
計画は2013年まで、3期に分けて計10億台湾元(約28億5,000万円)を投じて推進する。第1期では中科が用地計3,000坪、工場設置面積計5,000坪を企業に供与。11~12年の第2期で進出企業が読み取りヘッドの技術開発に当たり、12~13年の第3期で試験生産の実現を見込む。投資額10億元は、政府からは行政院国家発展基金(国発基金)などから3億元、民間企業から7億元の拠出を見込む。また、中科産学訓協会の協力を得てブルーレイ産業の人材育成も進める。
ブルーレイ産業区には読み取りヘッドやチップ、ドライブ、および関連機械設備などのメーカーの進出を期待しており、楊局長は「進出メーカーには製品の生産ではなく、R&Dを重視してほしい」と語る。
なお、蕭万長副総統や曽永権立法院副院長も中科、および中科に進出しているDVDドライブなど生産の福彦電子(フォーワールド・エレクトロニクス)を視察しており、楊局長はこれを通じブルーレイ産業区計画は産官学界の重視を得るに至ったと説明している。
ブルーレイ推進連盟、発足
19日付電子時報によると、台湾ブルーレイ産業の発展を目的とした「ブルーレイ推進連盟」が、このほど台湾資訊儲存技術協会の傘下に発足した。福彦電子、建興電子科技(ライトンIT)、広明光電(クオンタ・ストレージ)、中環(CMCマグネティクス)、錸徳科技(ライテック)、中国鋼鉄(CSC)、聯発科技(メディアテック)など関連メーカー14社が参加している。
同組織の招集人である?鴻吉・福彦電子董事長は、「台湾にブルーレイのサプライチェーンを築き、台湾メーカーが自前でブルーレイレーザーヘッドを製造できるようになることが目標だ。ブルーレイ川上部品が日系大手メーカーに独占されている状況を打破したい」と抱負を語った。
?董事長はまた、ブルーレイディスクフォーマットの企業団体、ブルーレイディスクアソシエーション(BDA)の強い圧力により、台湾ブルーレイ関連メーカーは今後、権利金の支払いが課題になるとの見方を示した。
このほか、現在台湾ではブルーレイ製品の販売に13%の貨物税(物品税)が課せられており、市場拡大のマイナス要因になっているとして、今後税率ゼロへの引き下げを目標に政府と交渉を行う考えも示した。
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