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悪徳業者が粗悪活性炭販売、400万人がダイオキシン被害か


ニュース 社会 作成日:2010年1月22日_記事番号:T00020530

悪徳業者が粗悪活性炭販売、400万人がダイオキシン被害か

 
 このほど、台湾全土の焼却炉で、悪徳業者が販売した粗悪な活性炭が使用されていたことが発覚した。発がん性や、男性の生殖能力、胎児に影響を及ぼすとも言われるダイオキシンの濃度が基準値を上回る排ガスが大気中に放出されていた可能性があり、周辺住民約400万人の健康に懸念が出ている。

 ヨウ素含有率の低い二級品の活性炭を販売していたのは、経営者を同じくする、屏東県の力晶活性炭と威翰環保工業。2社は台湾全土の焼却炉26カ所のうち20カ所に活性炭を納入しており、年商は2億元を上回っていた。

 一般に焼却炉では、ごみを焼却した際に発生する排ガス中のダイオキシンなど有毒物を、活性炭によって吸着ろ過する。粗悪な活性炭を使用した場合は吸着効率が下がるため、基準値を上回るダイオキシンが含まれた排ガスが放出され、大気汚染を招くことに。

 規定によれば、焼却炉で使用する活性炭は、1グラム当たり900ミリグラム以上のヨウ素が含まれていなければならない。ところが、2社の粗悪品のヨウ素含有量はわずか300ミリグラムだった。

 粗悪品が焼却炉に納入されていた背景には、2社の念入りな隠ぺい工作がある。運送用に使う活性炭専用車を改造することで、焼却炉側の検査には合格品を出し、実際には粗悪品を納入。また、袋入りの活性炭は、検査で調べられる上層に合格品を、下層に粗悪品を積むことで検査の目をくぐり抜けていたというからあくどい。

 幸いなことに、行政院環境保護署によると目下、2社の活性炭を使用していた焼却炉から放出される排ガスのダイオキシン濃度は基準値を上回っていないという。

 2社の代表である黄贍葦(35)および工場長の黄士源(28)、業務経理の楊永明(51)の3容疑者は20日、廃棄物処理法違反、文書偽造などで逮捕された。3人は犯行を否認しているが、多数が従業員の犯行があったと認めているという。