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太陽電池、台湾勢に受注増の可能性


ニュース その他製造 作成日:2010年1月22日_記事番号:T00020556

太陽電池、台湾勢に受注増の可能性

 世界最大の太陽光発電市場のドイツで、政府が今年4月から2段階で太陽光発電機器への補助金を15%以上削減する方針を発表したことを受けて、21日の台湾株式市場では太陽電池関連銘柄が軒並み大幅安となった。ただ、スペイン政府による補助見直し発表を受けて、太陽光市場が大幅な落ち込みに見舞われた2008年下半期当時と比べて業界の反応は冷静で、「コスト競争力に勝る台湾メーカーの受注増など、長期的にはプラス面も多い」といった声が聞かれる。22日付経済日報などが報じた。
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 ドイツの補助見直しは、▽4月より家庭用太陽光発電機器への補助金15%カット▽7月より大型太陽光発電所からの買電価格を25%引き下げ、また今年度の新規発電規模が3ギガワット(GW)を超えた場合はさらなる引き下げを行う──というものだ。

 これについて太陽電池最大手の茂迪科技(モーテック・インダストリーズ)の左元准董事長は21日、「見直しは2段階であり、一挙に行われるよりも衝撃が小さい。多くの業者は見直し実施を予想していたし、見直し幅も想定の範囲内だった」と指摘した。その上で、「ドイツは太陽光市場の主戦場だが、最近は日本、米国、中国などの市場が拡大しており、補助制度にも力を入れている。太陽光市場が以前のような谷底に落ち込むことはない」との楽観的な見通しを語った。

 光電科技工業協進会(PIDA)によると、世界の太陽光発電市場規模でドイツは41%を占め最大で、スペインと日本の9%がこれに次ぐ。しかし、今後は北米およびアジア市場の成長が予想されており、米国は2012年にはドイツに代わって世界最大の市場に成長するとみられている。

技術革新の促進にも効果

 ドイツによる補助見直しで、当面のデメリットは▽消費者の太陽光発電機器の購買意欲減退▽現行補助割合の期限切れ前に購入ラッシュが起き、後遺症でその後のハイシーズンに市場が落ち込む▽商品の値引きによる売上減──などが挙げられている。

 これに対し、台湾メーカーにとってのメリットとしては、よりコストの安い製品が求められることによる受注増が真っ先に挙げられている。このほか、太陽電池メーカーの技術革新が促進されることによる競争力の弱いメーカーの淘汰や、太陽光発電の価格下落なども挙げられている。このため、長期的な視点で見れば、今回のドイツの補助見直しは台湾業界にとって決して悪いニュースではないという評価だ。

緑能、Q2生産目標を引き上げ

 大同集団傘下の太陽電池用シリコンウエハーメーカー、緑能科技(グリーン・エナジー・テクノロジー)は21日、今年第2四半期のインゴット生産およびウエハー切り出しの目標量を共に500メガワット(MW)に引き上げると発表した。第1四半期の目標はインゴット生産410MW、ウエハー切り出し350MWで、市場の需要が旺盛であることがうかがえる。なお、これに先立ち益通光能科技(イートン・ソーラーテック)、?晶能源科技(ジンテック・エナジー)も生産目標の引き上げを行っている。

【図】