ニュース
電子
作成日:2010年1月25日_記事番号:T00020584
AUO工場建設中断、中科が懸念表明
中部科学工業園区(中科)第3期七星農場地区(台中県后里郷、通称七星基地)の環境影響評価は無効だとする判決が、台北高等行政法院による今月21日の上訴棄却で確定し、七星基地では友達光電(AUO)の液晶パネル工場などの建設中断が避けられない状況となっている。
23日付経済日報によると、楊文科・中科管理局長は22日、「AUOによる工場建設がストップすれば、企業の投資意欲に影響を与えるだけでなく、光電産業の世界競争力にも深刻な影響が及びかねない」と強い懸念を表明した。
同基地をめぐっては、行政院環境保護署(環保署)が第2段階の環境影響評価は必要ないとする判断を下したのは不当だとして、環境団体が提訴。台北高等行政法院は「第1段階の審査は書面審査のみで、真の意味での環境影響評価は第2段階に始まる。環保署は開発業者が健康リスク評価を提出しない状況で、第2段階の環境影響評価は不要との判断を下しており瑕疵(かし)がある」などとして、原告勝訴の判決を下していた。環保署は判決を不服とし、最高行政法院に上訴したが棄却された。
沈世宏環保署長は同日、判決文を受け取っていないとしたものの、「初めてこういう事態に遭遇した。法務担当者と善後策を協議することになる」と話した。
七星基地では、AUOが3,000億台湾元(約8,400億円)を投じ、第8.5世代の液晶パネル工場2棟の建設を進めており、うち1棟では第2四半期から生産ラインの設置が開始される予定だった。