25日付電子時報によると、液晶テレビ世界最大手の韓国サムスン電子が今年、発光ダイオード(LED)をバックライトに採用した液晶テレビ用パネルについて、大インチ機種用に続き、小型機種でも奇美電子(CMO)から調達を行う。これによりサムスンが奇美電から調達するLEDテレビ用パネルは、昨年の2倍以上となる単月80万~90万枚に達する見込みだ。
奇美電は現在既に、サムスンにとって台湾最大の液晶パネル調達先となっている。ただ、2009年に奇美電がサムスンに供給したLEDテレビ用パネルは32、40、46、55インチの大型パネル、かつ大部分が後工程モジュール(LCM)を取り付けていない半製品の液晶セル(オープンセル)で、単月の出荷枚数は40万枚前後だった。
しかしサムスンは今年、第1四半期から新たに18.5、21.6、26インチ型の小型LEDテレビ用パネルの発注を開始し、さらにオープンセルに加えモジュール取り付け済み製品にも調達を拡大するとみられる。
サムスンの今年の液晶テレビ出荷目標は3,500万台で、そのうちLEDTVは1,000万~1,200万台と昨年からの大幅増を目指しており、奇美電の業績に大きく貢献しそうだ。
「新奇美」、生産能力大幅拡大へ
なお同日付経済日報は、鴻海科技集団(フォックスコン)が、サムスンから主力低価格機種を中心に500万台の液晶テレビ組み立てを受託したと報じた。ソニーから見込まれる受注を加えると、鴻海集団の今年の液晶テレビ出荷台数は1,000万~1,200万台と前年比10倍以上の規模に成長し、受託製造メーカーとして世界2位に躍進する見込みだ。
鴻海の液晶テレビ出荷が大幅に拡大する見通しとなっていることを受け、3月1日に誕生する、鴻海傘下の群創光電(イノルックス・ディスプレイ)、奇美電、統宝光電(トポリー・オプトエレクトロニクス)の3社合併による新・奇美電子(英文名・Chimei Innolux Corporation)内部では、奇美電が南部科学工業園区(南科)高雄園区で設置を進めている8.5世代工場の生産能力を、当初計画の月産2万4,000枚(ガラス基板投入枚数)から6万枚に引き上げることを決定したもようだ。今年中には生産設備搬入を完了するとみられる。
パネル4割はAUOから
ただ、経済日報によるとサムスンは、鴻海に発注する液晶テレビ500万台のうち、40%で友達光電(AUO)の液晶パネル(オープンセル)を使用するよう要求したとされ、AUOも液晶テレビ世界最大手からの受注確保に全力を挙げているもようだ。
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