2010年を「ブランド年」と位置付けるスマートフォン大手メーカー、宏達国際電子(HTC)は26日、オンライン業績説明会を開催し、周永明執行長(CEO)が、「規模の拡大が世界の主要ブランドに成長する鍵」と語り、従来の粗利益率追求戦略を転換して今年は販売台数拡大に注力し、HTCのブランド地位向上を目指す考えを示した。HTCの今年の平均粗利益率は、昨年の31.9%を下回る見通しとなる。27日付工商時報が報じた。
先週末に開かれた忘年会で、王雪紅董事長(左)と周永明執行長(右)は「HTCの名を響かせよう」と呼び掛けた(中央社)
周執行長は今年のブランド戦略について、▽HTCは消費者が最初に選ぶスマートフォンブランドになる▽製品ラインナップを拡大し、一般消費者市場での展開を強化▽マーケティング活動を強化して知名度向上を図る──の3大目標を掲げた。
同社の第1四半期目標は、売上高が前期比17~22%減の320億~340億台湾元(約896億~952億円)。一方、出荷台数は前年同期比30%増加して300万~310万台となり、平均販売単価(ASP)は330~345米ドルに低下、粗利益率は前期比2ポイント下落して30%となる見通しだ。
なおHTCの2009年売上高は1,444億9,000万元で、純利益は226億1,000万元、年間出荷台数は1,171万1,000台だった。