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中国人観光客、春節に大挙来台


ニュース 商業・サービス 作成日:2010年1月28日_記事番号:T00020674

中国人観光客、春節に大挙来台

  
 中華圏は間もなく春節(旧正月、今年は2月14日)に伴う大型連休に入るが、中国から観光客が大挙して訪れる見通しで、台湾はさながら中国人の「避寒地」となりそうだ。春節連休9日間に来台する中国人客は2万人に迫り、昨年の約1万3,000人(8日間)から5割以上伸び、少なく見積もって7億7,000万台湾元(約21億5,000万円)の経済効果をもたらすとみられる。28日付工商時報が報じた。 
 
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 春節シーズンは台湾人にとっても旅行シーズンで、域内観光地のホテルなど旅行費用は割高となるが、それでも中国人観光客の台湾観光への意欲には何ら影響しないようだ。台湾観光業者が中国人向けに販売する台湾観光ツアー料金は、業者間で過度の値引き競争が起こらないよう、交通部観光局が1日当たりの最低料金を60米ドル以上に定めている。鳳凰旅行社の廖文澄総経理によると、今年の春節期間のツアー料金は1日当たり100米ドル以上と、最低料金を60%以上上回っている。なお、中国人観光客は特に福建省、広東省からが多く、台湾は海南島や東南アジアと同様、温暖な気候が人気の理由となっている。

 中国国営通信、新華社が北京市の大手旅行会社、北京国際旅行社の話を基に報じたところよると、春節の台湾ツアーは既に満員で、今申し込んでも出発は2月下旬まで待たなければならない。状況は杭州、西安、大連などの都市でも同様で、春節期間の台湾ツアー料金は、通常に比べ2,000~3,000人民元(約2万6,000~4万円)値上がりしているという。

 台湾・中時旅行社の趙政岷総経理は春節期間の中国人客による経済効果について、8日間のスケジュールで2万人が来台し、航空券料金を除く1人当たりの消費は、ツアー料金を1日100米ドル、買物や雑費を1日50米ドルとすれば8日間で1,200米ドルとなり、2万人で合計2,400万米ドル、台湾元にして7億7,000万元に上るという試算を示した。

台湾航空社の春節増便は売れ残りも
 
 中華航空、長栄航空(エバー航空)などは27日、中台路線の春節増便分(2月1日~25日)のインターネット予約を開始した。例年春節増便は発売即完売が恒例なっていたが、今年は増便への中国側の同意が遅れたこと、上海、杭州、深圳など人気路線の多くで運行時間帯が深夜~早朝となっていることなどから、初日の予約率は3~4割にとどまった。

 また、増便分は航空会社による予約開始から3日後に旅行会社でも販売できる規定となっているが、中華民国旅行公会全国聯合会の姚大光理事長によると、中国の航空会社のチケットは既に販売されており、「今年台湾側航空会社の増便は98便となっているが、3分の1が売れ残る恐れがある」という。

 交通部民用航空局(民航局)は、中国側の同意が遅れたこと、中国の業者が前倒しで販売していることについて、中台間の交渉チャンネルを通じて説明を求めると表明したが、航空会社からは台湾の業者と利用者の権益を損ねているとして政府への批判が上がっている。
 
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