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作成日:2010年1月29日_記事番号:T00020676
さすが物理学修士? アルミ箔で万引き防止ゲート突破

27日午後5時ごろ、台北市北投区の書店「何嘉仁書店(Hess Bookstore)」で、物理学の修士(マスター)を持つ高学歴の万引き犯が逮捕された。廖逸文容疑者(35)は専門知識を活かし、書店の出入口に設置されているRFID技術を利用した万引き防止ゲートを、警告音を鳴らさずに通過して書籍を盗んでいたもようだ。
廖容疑者は最近何度も同書店を訪れており、書店側はこそこそと様子がおかしかったことから警戒しマークしていた。廖容疑者はこの日かばんを抱えて入店し、小説「トワイライト」と英語検定試験、TOEFL(トーフル)用参考書など6冊、計約2,000元相当の書籍をかばんの中に。店員に見とがめられると、かばんを放り出して逃走したが、ちょうど書店の隣が警察署だったことからすぐにお縄となった。
廖容疑者のかばんの中から出てきたのは、かばんとほぼ同じ大きさの紙の箱。実はこの箱こそが、万引き用に作られたお手製の秘密兵器だった。箱の内側一面にアルミ箔(はく)が張られ、その上からさらにハトロン紙で覆ってある。物理学のスクリーニング効果(遮へい効果)の原理を利用し、アルミ箔(金属)によって、万引き防止用ゲートから出る無線通信用の電波を遮断する仕組みだ。
警官が実際に未精算の書籍をこの箱に入れてゲートを通ったところ、書籍に付いているICタグは反応せず、警告音を鳴らすことなくゲートをすり抜けられることが分かった。
廖容疑者は万引きの前科があり、同じ手法で既に何度も犯行に及んでいた疑いが持たれている。警察では書店などに対し、同様の手口に警戒するよう呼び掛けている。