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米国、台湾に64億ドルの武器売却へ


ニュース 政治 作成日:2010年2月1日_記事番号:T00020706

米国、台湾に64億ドルの武器売却へ

 
 米国防総省は1月29日、台湾に総額63億9200万米ドルに上る大規模な武器売却を決め、議会に通告したと発表した。オバマ政権下では初めての台湾への武器供与で、中国は反発を強めている。中央社電などが伝えた。
 
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外遊中の馬総統は米国の武器売却決定に、「自信と安心感が高まるほど、大陸(中国)ともさらに多くの連携した動きを取ることが可能になり、両岸(中台)関係の発展にも役立つ」と語った(30日=中央社)
 
 売却される武器は、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)114基、軍用ヘリコプター「ブラックホーク」60機、オスプレイ級機雷掃討艇2隻など。中国を過度に刺激することを避けるため、F16戦闘機、ディーゼル潜水艦の売却は見送られた。米議会が30日以内に異議を表明しなければ、計画通りに売却が進められる。

 外遊中の馬英九総統は「武器の大半は防衛目的であり、台湾の防衛にとって必要な支出だ。これらの武器でより自信を持って台湾を守ることができる」と歓迎した。

中国は反発、米企業に制裁も
 
 これに対し、中国外務省の何亜非外務次官は30日、米国のハンツマン駐中国大使に対し、「直ちに台湾に対する武器売却という誤った決定を取り消すよう求める」と強く抗議。中国外務省は同日、米中間で昨年から再開された軍事交流を中断し、台湾に武器を売却した米企業に制裁を加える方針を明らかにした。このほか、外国訪問中の楊潔篪(チ)外相、国防省、国務院台湾事務弁公室なども相次いで米国を非難する声明を発表した。

 オバマ政権による武器供与は、中国の軍事力増強に対し、「台湾関係法」に基づき、台湾防衛に必要な武器を売却するとしたブッシュ前政権の方針を基本的に踏襲したものだ。台湾側には米中関係の改善で台湾がないがしろにされるのではないかとの懸念があったが、馬英九政権はひとまず胸をなで下ろしている。ただ、台湾側が希望していたF16戦闘機など最新鋭の軍備は供与が見送られたため、中台間の軍事バランスに大きな変化を与えるほどのインパクトはないとの見方もある。